大阪で出会った2人の青年。1人は国内で頭角を現し、もう1人は世界へと羽ばたいた。神戸MF古橋亨梧(26)とサウサンプトンMF南野拓実(26)。2人は、大阪市・天王寺にある興国高で同級生だった。古橋は同校のサッカー部。かたや南野は当時、C大阪のユースに所属し、2種登録でトップチームで公式戦に出ていた。クラスも違えば、環境も違った。古橋は「体育の授業で一緒だったり、学校の行事でたまに会うぐらいで、あまり話したことはなかった。でも、近くにいて目標とする選手がいたのでモチベーションがすごくあった」。同学年でありながら、憧れのスターでもあった。

ただ、南野にとっても古橋の存在は刺激となっていた。「神戸ですごく素晴らしいシーズンを送って、決定力ある、局面を打開できる選手だと感じるし、僕にないものを持っている選手。チームにとって頼りになる選手」とべた褒め。「お互いの長所を生かして、プレーできれば。スピード、裏に抜けるタイミングがかしこく、動きながらプレーできる選手だと思うし、相手1人、2人はがしてアシストにもっていける選手」と同級生の活躍を常に注目してきた。

そんな2人は、時を経て、同じユニホームに袖を通すことになった。ともに先日の日本代表に選出。代表常連の南野は背番号「10」。古橋は「11」を背負った。3月30日のW杯2次予選モンゴル戦(フクアリ)では、南野が先制ゴールを決め、古橋も代表初得点を含む2ゴールをマークした。

高校のサッカー部員と、Jクラブの下部組織育ち。歩んできた道のりは違えど、ともに日本代表まで上り詰めた。古橋は日本の神戸で、南野はイングランドに渡り、サウサンプトンで、しのぎを削っている。同じ高校の制服を着ていた同級生が、同じ日の丸を背負うことに-。興国高出身の2人。これからも、互いに刺激し合って、日本のサッカー界を盛り上げていく。【栗田尚樹】