パリ・オリンピック(五輪)代表監督に、大分トリニータの片野坂知宏監督(50)らが候補に挙がっていることが6日、分かった。

3年後のパリ五輪代表監督選考は早ければ年明けから開始する。半年計画で長期検証し、パリへの方向性を定める。現段階では片野坂氏の他、元鹿島アントラーズ監督の大岩剛氏(49=現日本協会指導者養成インストラクター)、U-20日本代表の影山雅永監督(54)ら、複数人が候補に挙がっている。

日本協会幹部は「今回、森保監督がA代表と五輪代表を兼務してくれたことで、計画的に強化できたし、世代交代もうまく進んでいる。当然、次も兼務という話は出てくるだろう」と話した。検証と協議を続け、結果的には来年のワールドカップ(W杯)カタール大会(11月21日開幕、12月18日決勝)終了後のA代表監督人選後に最終決定する可能性もある。

現段階で最有力の大分の片野坂監督は、3年前にも日本協会からA代表コーチと東京五輪代表監督就任の打診を受けている。J1サンフレッチェ広島時代にともに戦った森保監督の希望もあった。しかし当時は、同監督がJ2だった大分をJ1に上げた直後で「監督として日本のトップリーグで勝負したい」との希望を受け入れ、正式オファーには発展しなかった。

他にも、J1鹿島でACL優勝の実績がある大岩氏も候補。現在、日本協会所属ではあるが、同氏とは「Jリーグから監督のオファーが届いた場合には、Jを優先していい」との条件があるため、日本協会の都合を優先させるのは難しい状況だ。パリ五輪の主力になる現U-20代表の影山監督は、育成の面で高い評価を受けているが、プロリーグでの実績がないことがネックとされる。また森保監督不在時に指揮を執った横内昭展コーチ(53)も候補になる。

今年10月のU-23アジア杯予選は影山監督で戦う。今季、Jリーグ全日程が終了した後から、技術委員会が本格的な人選を始めるが、来年6月のU-23アジア杯(ウズベキスタン)も現段階では影山体制が有力。パリ五輪が3年後に迫っているが、まずはW杯カタール大会出場に総力を挙げながら、五輪監督人選も進める。