日本選手として実に20年ぶりに欧州リーグ(EL)優勝を果たしたMF鎌田大地(25=アイントラハト・フランクフルト)が、昨年11月以来となる日本代表復帰を果たした。日本サッカー協会は20日、6月6日の王国ブラジルとの国際親善試合を含む同4試合に臨む28人を発表。21日でワールドカップ(W杯)カタール大会の開幕まで、ちょうど半年。欧州のひのき舞台で輝いた「EL男」が、初の8強入りを目指す森保ジャパンでも攻撃の核として復権を果たすべく、帰ってくる。

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欧州リーグというビッグタイトルをひっさげ、鎌田が代表に戻ってきた。今、最も波に乗っている。同僚の長谷部とともに、02年にフェイエノールトで前身のUEFAカップを制した、小野伸二に肩を並べた。「フランクフルト以上(のレベル)でプレーしている日本人選手は2、3人しかいない。代表に選ばれて当然のところでプレーしている」と、強烈な自負も胸にある。最高峰の欧州チャンピオンズリーグに次ぐ格付けの大会で、1次リーグから全13試合に出場し5得点。堂々の代表復帰だ。

日本代表ではW杯アジア最終予選の途中から陣形が4-3-3に変更され、鎌田の主戦場だったトップ下がなくなった。これで存在感を失い、招集外が続いた。だが、欧州での活躍で、森保監督を振り向かせた。現地で直接チェックした指揮官も、「持っていた攻撃の能力を、強度高く上下動しながら発揮するレベルが上がった」と評価していた。常にひょうひょうとプレーし、その表情も含め、気迫不足とみられることもあったが「(代表で)誇りとプライドで戦っている」と、内に宿す思いは強い。

直近の3月の活動に続き、FW大迫がコンディション不良で招集外になった。鎌田は19年3月のボリビア戦などで1トップを務めたこともある。当時は「(自分には)ストライカーの要素はあまりない」と課題を口にしていたが、今回は代役候補の1人として期待をかけてみたくなるだけの力を証明しての復帰となる。

本大会までちょうど半年。残された期間は少ないが、王国ブラジル相手に腕試しできる好機。代表でも、自身の価値を証明する。【岡崎悠利】