日本(FIFAランク23位)がチュニジア(同35位)に0-3で完敗してタイトルを逃した。

後半10分にDF吉田麻也主将(33=サンプドリア)がPKを献上して先制献上、同31分にも守備陣の連係ミスから失点した。さらに後半ロスタイムにもダメ押し点を決められた。過去4戦全勝の相手に完敗し、6月の4試合を2勝2敗で終了。残りの実戦は9月に予定される2試合のみ。11月のW杯カタール大会に向け、大きな不安を残した。

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大黒柱のミスをきっかけにチームはずるずると崩れていった。0-0の後半8分、DF吉田主将が後方からの中途半端なスライディングで相手を倒し、PKを献上。思わずピッチに倒れ込んだ。雨の影響もあったが「あそこで滑ってはいけない。試合を壊してしまったのは間違いない」。これを決められて先制点を許した。

追いつくためにMF三笘、久保、堂安ら攻撃陣を次々と投入した後の同31分、まさかの追加点を許す。自陣でのルーズボール処理で吉田主将とGKシュミット・ダニエルの意思疎通がうまくいかず、見合う形になったところを奪われて難なく決められた。本番で起きれば命取りになる失点が続き、後半ロスタイムにはダメ押しの3失点目。森保監督は「ペナルティーエリアに入らせない、危険なところでボールを失わないようにしていきたい」と厳しい表情だった。

攻撃陣も沈黙。前半から決定機を逃し続けた。28分、FKのこぼれ球をフリーのMF南野が正面から狙うも空振り。続く35分にはMF伊東が絶好の右クロスを供給も、走り込んだMF鎌田が捉えきれず。がら空きのゴールにボールを届けられず、天を仰いだ。伊東、MF三笘の個人突破は光ったものの、枠内シュートはゼロ。指揮官は「アタッキングサード(ゴールに近い3分の1のエリア)からのシュート(の精度)は上げないと」と決定力不足は依然として課題と認めた。

ここまでの3試合で続いていた失点はすべて、攻撃を組み立てる中で起きたミスを突かれたもの。それでも森保監督は、W杯を勝ち抜くために「絶対にやらなければいけないこと」と試合前にあらためてビルドアップからの攻撃の重要性を強調。だが、この日も同様にボールを奪われたところから失点した。吉田主将は「自分たちのミスから崩れてしまった」と唇をかんだが、指揮官はあくまで本番を見据え「勇気あるチャレンジは評価したい」と下を向かなかった。

20年前の6月14日、02年W杯日韓大会の1次リーグ第3戦では日本が後半に2点を奪い、2-0で勝利。それがこの日は後半で3点を奪われる結果に。表彰式では喜ぶチュニジアの後方で、日本選手たちは優勝を祝う花火の煙にまみれた。森保監督は「日本サッカーが成長していることを感じてもらえる試合にしたい」と話していたが、W杯でのベスト8進出は難しいミッションであることを痛感させられた。【岡崎悠利】

◆日本代表の今後の日程 W杯本大会までに海外組を含めて活動できるのは9月のみ。海外に遠征して2試合を実施する予定。海外組不在の7月の東アジアE-1選手権は国内組の選手にとっては滑り込みを懸けたサバイバルになる。カタール大会は11月に開幕。欧州組はシーズン中で、国内組はJリーグ終了直後に慌ただしく本番に備える。

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