W杯カタール大会(20日開幕)に向けて、1日に発表したばかりの森保ジャパンがいきなり危機に直面した。右アキレス腱のケガを負った日本代表DF中山雄太(25=ハダースフィールド)について、クラブは手術とW杯欠場を発表した。3日(日本時間4日)の欧州リーグではDF冨安健洋(23=アーセナル)も、古傷の右ハムストリングスを痛めて交代。主力級の相次ぐ負傷で、本大会へ暗雲が垂れ込めている。
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W杯メンバー26人が発表された翌日の2日、中山が悲劇に襲われた。イングランド2部リーグのサンダーランド戦。前半終了間際、相手選手と接触した。自ら交代を要求。両手で顔を覆い、担架でピッチ外へ運ばれた。クラブは3日、公式サイトで「手術が必要となり、W杯に出場する日本代表にも参加できない」と発表した。 日本代表で、長く人材難と言われ続けた左サイドバック。長らく36歳のベテラン長友頼みだったところに、ようやく出てきた25歳の実力者が中山だった。W杯でも1番手として期待されていただけに、簡単に埋まる穴ではない。 悲報は続く。センターバックの主力である冨安も、ELのチューリヒ戦で右ハムストリングスを負傷。後半28分に投入されるも、同43分に交代。自力で歩いてピッチを後にしたが、苦悶(くもん)の表情を浮かべて首を横に振った。詳細は明らかになっていないが、過去にも負傷している箇所だけに状態が懸念される。今回のW杯はカタールの酷暑を避けるため、通例の6~7月でなく11~12月開催される。海外リーグはシーズン中で大会直前まで試合が組まれている。日本協会の田嶋幸三会長は「こればかりはシーズン途中でやるW杯の難しさだと思います」と表情を曇らせた。チームのコンセプトは、指揮官が繰り返す「いい守備からいい攻撃に」。W杯の1次リーグで対戦するドイツやスペインを考えても、守備の安定は勝ち抜くための生命線。勝負のカギを握る最終ラインのレギュラー格の2人の相次ぐ負傷は痛すぎる。他にも浅野、板倉は実戦復帰しておらず、守田、久保、田中も万全とはいえない。大事な初戦となる23日のドイツ戦まで残り20日を切る中、森保監督は難しい舵取りを迫られている。【岡崎悠利】
◆W杯のメンバー変更 最終登録メンバーは重大なけがや病気に限り、チーム初戦の24時間前まで入れ替え可能。日本の初戦は23日のドイツ戦。過去にW杯日本代表の大会直前のメンバー変更は06年ドイツ大会であった。DF田中誠(磐田)がドイツでの事前合宿中にけがで離脱し、追加招集されたDF茂庭照幸(東京)がバカンス中のハワイから緊急合流した例がある。
○…ケガ人に悩まされているのは日本だけではない。大会初戦で対戦するドイツ代表FWティモ・ヴェルナー(26=ライプチヒ)が2日の欧州CLシャフタール戦で左足の靱帯(じんたい)を断裂し、W杯欠場が決まった。同国代表として55試合24得点。日本代表にとっても脅威だったが、10日にメンバー発表予定のドイツはエースストライカーの不在が決まった。英メディア「スカイスポーツ」によれば、GKノイアーも右肩の負傷などで出場が微妙。他にも韓国代表のエースFW孫興民(トッテナム)が顔面の骨折、前回優勝フランスのDFバラン(マンチェスターU)がハムストリングスのけがで出場が不安視されるなど、シーズン中の冬開催の影響なのか、各国に負傷者が出ている。

