【ドーハ(カタール)9日=岡崎悠利】ワールドカップ(W杯)カタール大会へ、日本代表がまたもアクシデントに見舞われた。中盤の要、MF遠藤航(29=シュツットガルト)が8日(日本時間9日)のリーグ、ヘルタ戦(ホーム)の後半32分に相手と競り合った際に頭を激しく衝突。担架に乗せられて同37分に退いた。救急搬送された病院でひと晩過ごし、脳振とうだと診断された。開幕前、最初で最後の国際親善試合カナダ戦(17日、UAE)出場に黄信号。慎重にならなければいけない頭の負傷で、大会に影響が出ると、日本にとって大打撃となる。
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森保ジャパンを襲う負の連鎖は、中盤の要である遠藤にまで及んだ。ヘルタ戦の後半、ヘディングを試みた際、相手選手と激しくぶつかった。相手の頭が右側頭部にぶつかり、そのまま倒れ込み、一時的に意識を失った。GKが口に手を入れ、気道を確保しようとすると、自力で起き上がったが、担架に乗せられ救急搬送。地元メディアによると、ビマー監督は「脳振とうを起こし、一時は完全に意識がなかった。頭蓋骨が折れていないことを祈る」と話した。それほどの衝撃的なシーンだった。
一夜明け、クラブは「病院で一晩過ごしたが、大事に至らなかった。この日のうちに退院する」と発表した。日本で報告を受けた日本協会の反町技術委員長は、カタールに向かう成田空港で「ドクター同士が話している。最新情報だと脳の損傷、脳の出血、頭蓋骨の損傷はなし。いわゆる脳振とうです」と説明。17日のカナダ戦出場については「分からない」とした。
頭部だけに、今後は慎重な判断が求められることになる。脳振とうの場合、基本的に国際的に定められた約1週間の復帰への段階をこなし、問題がなければプレー可能になる。すぐには復帰できない。加えて気圧の変化のある航空機移動の影響も、気にしなければならない。予定通り合流できるかも分からない。17日のカナダ戦出場は厳しくなった。
1日に26人のメンバーが発表された後、DF中山が右アキレス腱(けん)の損傷で欠場が決定。代役はFW町野に決まった。冨安や板倉、浅野といった主力候補も離脱中。森保監督は8日に、「W杯でプレーできない選手は呼んでいない」と冨安らは復帰できる見通しであるとした。しかし、その後のアクシデント再び。23日の大事なドイツとの1次リーグ初戦に間に合ったとしても、コンディション調整に狂いが生じた選手が、また1人増えた。
遠藤はボランチで不動の存在。ブンデスリーガでは2年連続でボールの争奪戦(デュエル)での勝利数1位を獲得。「デュエル王」「デュエルモンスター」として日本代表の中盤に君臨してきた。昨夏の東京オリンピックにも年齢制限外のオーバーエージ枠で出場するなど、森保監督からの信頼も厚く、替えのきかない存在。本大会でプレーに影響が出るだけでも、森保ジャパンにとって大打撃だ。

