サッカーの2011年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会優勝メンバーの川澄奈穂美(37=米NWSL・ゴッサム)が、なでしこジャパン(女子日本代表)のW杯イヤー初戦を、必死の速報で世界中に伝え、OGとしてスーパーな働きをみせた。

なでしこジャパンは米国で現地時間16日からの「シービリーブスカップ」に参戦。ブラジル、FIFAランキング1位の米国、カナダとの強豪との対戦で、W杯に向け貴重なチーム強化をはかる。

16日の初戦ではブラジルに0-1で敗戦。ただ、この一戦が、日本では放映されず、日本のサッカーファンは視聴することができない状況だった。

米国にいるとみられ、視聴可能だった川澄はまず、自身のツイッターを更新し「こんな良い試合を日本では観れないだなんて ファン・サポーターのみなさん、離れていかないでください」と問題提起。

さらに、言うだけではなく、動いた。

「前半キックオフ(もう12分) GK田中 左から、南、熊谷、三宅 ワイド左、杉田 ワイド右、清水 中盤、長谷川、長野 宮澤、植木、藤野 (試合終了まで敬称略で失礼) 1-3-4-3かな。 ちょっと速報頑張ってみます」と自身のツイッターアカウントで、テキスト速報をスタートさせた。

この1発目の速報ツイートから、小刻みに、的確なプロの目によるぜいたくな速報が続いた。

「(ブラジルの絵文字)カウンターで左の角度のないところからシュート。田中セーブ。コーナー」

「(ブラジルの絵文字)ショートコーナー。日本上手く守りゴールキック獲得。キーパーから繋いで再開」

「前半15分経過」

「(ブラジルの絵文字)のシステムは、1-4-4-2かな」

「三宅の縦パス→植木のワンタッチパスでサイドの清水に出て抜け出すが、ペナルティに入る前で相手のカバーリングに引っかかる」

こんな感じで丁寧に、後半開始までに実に約30もの実況ツイートを連続投稿。

後半も投稿ペースは落ちなかった。

「(日本の絵文字)藤野の仕掛けはペナルティエリア内でブロックされる (WEリーグだとスルスル抜けて行くんだけどね)」

「56分(日本の絵文字)交代 植木→浜野 杉田→遠藤」

「68分(ブラジルの絵文字)2人選手交代 マルタ登場!!! 彼女は昨年前十字の怪我をしました。 これ、代表復帰戦だと思います。 Orlando Prideに所属していて、そのホームスタジアムでの復帰!! ファン大盛り上がり!!

(誰よりも興奮してごめんなさい)」

このように敵味方関係なく愛ある詳しすぎるツイート。1人実況&解説という獅子奮迅の活躍ぶりだった。

さらに、途中ではブラジルの21番のMF「ケロリン」という選手を巡って「たぶんブラジルに『ケロリン』って名前の子がいて、解説がケロリンケロリン言うのが可愛い」と感想を述べる。

そして、「川澄速報はこういう要らない情報も入るので、本当はオフィシャルが速報した方が良いと思います」と自虐ネタもぶっ込むなど、完璧な対応をみせた。

結局後半は約40のツイートで、試合を実況速報。1試合通じて、約70超のツイートで試合を届けた。