サッカー日本代表に初選出されたDFバングーナガンデ佳史扶(カシーフ、21=東京)が“ポスト長友”に名乗りを上げた。

3年後のW杯へ再スタートを切る森保ジャパンは20日、千葉市内で合宿を開始。24日のウルグアイ戦(東京・国立)、28日のコロンビア戦(大阪・ヨドコウ)に向け、長友佑都の薫陶を受けるパリ五輪世代の新鋭は、プレー同様の超攻撃的な姿勢で挑むことを誓った。

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日の丸のウエアを着て練習を終えた21歳、バングーナガンデは初々しさが残る笑みを浮かべた。「初めて顔を合わせてみて『W杯で見ていた選手たちだ』と、すごいところにきたと実感した」。少し緊張した面持ちながら「呼ばれた時から(26年W杯米国・カナダ・メキシコ大会への)思いがわいている。ポジションを奪うつもりでやりたい」と力のこもった声で話した。

東京の先輩である長友が君臨してきた左サイドバック。クラブでは競争に勝ってスタメンに定着し、長友と同じ21歳で代表入りをつかんだ。温和な性格でシャイな一面もあるが、ピッチに立てばサイドを駆け上がって鋭いクロスを供給する超攻撃的SBに変身する。「佑都さんに一番刺激をもらっている。こういうところで結果を残せる選手になりたい」と、柔らかな笑顔の内に秘める闘志がある。

スペインで活躍する久保とは東京ユースの同期。久保が飛び級でステップアップする中、自身も各世代別代表に選出されたが、目指した21年のU-20W杯はコロナ禍で中止になった。飛躍の舞台を奪われ、同年10月には右膝外側半月板損傷で約6カ月の離脱。今回の活動は「順調には全然いっていなくて、苦労もあった中でやっとつかんだ」というチャンスだ。

24年パリ五輪の世代だが、U-23日本代表の大岩剛監督からは「五輪経由のA代表でなく、A代表経由のパリ五輪にしてほしい」とハッパをかけられている。東京五輪でチームをけん引した久保や堂安も、A代表経験者だった。

「ここで活躍できる選手がパリ五輪にいけると思う。選ばれただけでなく、活躍したい」。26年W杯に向けて歩み出す森保ジャパンの左SBは本命不在。今回の2試合で、1番手は自分だと示すつもりだ。【岡崎悠利】

◆バングーナガンデ佳史扶(かしーふ)2001年(平13)9月24日生まれ、東京都足立区出身。父がガーナ、母が日本出身。ジュニアユース時代から東京の下部組織に所属。20年にトップ昇格し、同年9月の鳥栖戦でJ1デビュー。好きな海外選手はDFマルセロ、趣味はウクレレ。176センチ、74キロ。