今日5月5日は「こどもの日」。サッカー日本代表の森保一監督(54)が、未来ある子供たちをテーマに日刊スポーツのインタビューに応じ、全国の少年少女へメッセージを送った。22年W杯カタール大会でドイツ、スペインを連破。諦めない姿が児童の活力になることを願い、サッカーの枠を超えて「楽しむことを忘れないで」と語りかけた。夢が膨らむポジティブ思考の広がりに期待している。【取材・構成=岡崎悠利、盧載鎭、木下淳】
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こいのぼりのおもちゃを手渡された森保監督は、思わず頬を緩めた。「ずっとサッカーをしていました、連休は」と自身の幼少期を思い返し、またほほ笑む。戦術など日々のサッカーとは異なる話題とあってか「こどもの日がテーマですよね。普段と違うので、難しいなと思って(笑い)。何を話せばいいのか、真剣に考えてきましたよ」と柔らかい表情で場を和ませた。
3月。日本代表の練習見学に来てくれた子供たちが選手とハイタッチし「絶対(手を)洗いたくない!」と、はしゃぐ様子に目尻を下げた。プレーする姿にも「無邪気に一生懸命、頑張ってキラキラしていて。立ち向かっていく姿を見るのもエネルギーをもらった気持ちになる」。夢を与える立場の日本代表だが、指揮官は反対に子供たちから力をもらっているという。
サッカーだけでなく、スポーツ界に限定せず、少年少女に伝えたい。「楽しむことを忘れず、うまくなりたい、強くなりたい気持ちを持ち続けてね」。時には思うようにいかないことや否定されることもある。それでも卑屈にならず「努力を努力と思わず」に取り組んできた“サッカー小僧”たちが、代表には集っている。「純粋に子供のころからサッカーが好きで『うまくなりたい』が突き抜けてきたような」象徴が選手たち。その空気が伝わることも日本を率いながら思う。
まさに今、壁にぶち当たり、挫折を味わっている子も、いるかもしれない。監督はそうしたこともイメージしながら言葉を紡いだ。
森保監督 自分を否定しないでほしい。競技をやれば、競争で優劣はつく。サッカーにしても、小学生がクラブに入るためセレクションがあるところもある。勉強でも、進学のたびに試験があって、合否が出る。ただ、合格することが成功やゴールではないと思う。「自分がだめだ」という苦しみ方はしてほしくない。
自身には3人の息子がいる。長男と次男はプロサッカー選手としてキャリアを重ねることはなかったが、現在はユーチューバーとして生き生き活動している。 「今いる立場で自分を輝かせることや、成長することを考えてほしいと思う」
3月に人材サービス「アデコグループジャパン」が行った調査では、小中学生の男子1800人を対象にした「将来就きたい職業」でサッカー選手が5年ぶりの1位に返り咲いた。14年から実施している調査で、野球やユーチューバーから奪還した。昨冬のW杯で、日本が優勝国を次々破った活躍が影響したのだろう。
「職業として夢があると思う。国内にはJリーグというプロがあり、そこから世界にも挑戦できる。グローバルな時代にも合っているスポーツだと思うので、ぜひサッカーを好きになって頑張ってくれる子が増えたら、うれしいですよね」
サッカーの道を志す子供たちが1人でも増えるように、夢を与える日本代表の先頭に立って走り続ける。

