23年サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(7月20日開幕)に臨む日本代表「なでしこジャパン」のメンバー23人が13日、千葉県内で発表された。

10番を背負い、長年チームをけん引してきた岩渕真奈(30)がまさかの選外。実績よりも今を重視した池田太監督(52)は、2011年ドイツ大会以来の世界一へ勝負に徹する姿勢を貫いた。1次リーグC組で7月22日にザンビア、26日にコスタリカ、31日にスペインと対戦する。

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池田監督がメンバー発表を読み終えると、会場に集まった報道陣からどよめきが起きた。「岩渕の名前がない」。11年W杯優勝メンバーで、その後はエースとしてチームを引っ張ってきた功労者。2月のシービリーブス杯、4月の欧州遠征でも10番を背負ってメンバー入りし、今大会でも名前を呼ばれる可能性は高いと思われていた。

だが、これは池田監督の信念の決断だ。「1つの理由ではなく、代表活動、コンディション、今の所属チームでの状況、ピッチ上、ピッチ外でさまざまなシチュエーションを考え、この23人を選ばせてもらった」。岩渕は今季、所属するアーセナルで出場機会を得られず、トットナムに期限付き移籍。しかしそこでもゴールなしに終わっていた。12年ぶりの世界一を目指すにあたり、指揮官は心を鬼にする必要があった。

「岩渕選手はこれまでチームを作る過程の中で、彼女の持っているなでしこに対する思い、プレー、そういったものでチームを引き上げ、チームのために戦ってくれた」と感謝の言葉を口にした上で、大胆な世代交代策で勝負に出る。

池田監督の指揮の下、22年U-20W杯で準優勝した時のメンバー、藤野あおばと浜野まいかが名を連ねた。藤野は男子も顔負けのボディーコントロールとスピードで、今季WEリーグで3位タイの11ゴールをマーク。U-20W杯MVPの浜野はスウェーデンでプレー中だ。まだ19歳の2人だが、W杯では大車輪の活躍が期待される。

岩渕が抜け、センターFWにW杯出場経験者がいなくなるが「もちろん経験が必要とも考えた。一方で、若い選手の勢いや野心もある。五輪に参加した選手もいる。経験と、若い選手のアグレッシブさのバランスを考えた」。選んだメンバーへの信頼を示しながら「過去の優勝、そういったポジティブな部分をまた、このなでしこのメンバーでつかみにいく。頂点を目指して戦う」と言い切った。

チームは今月27日から国内合宿が始まり、7月14日にユアテックスタジアム仙台でパナマ代表と大会前最後の試合に臨む。【千葉修宏】

◆なでしこジャパンの岩渕 国際Aマッチ通算90試合の出場で歴代6位の37得点。10年に16歳で初選出され、W杯には優勝した11年ドイツ大会から3大会連続で出場した。12年ロンドン五輪でも準優勝に貢献。21年に行われた東京五輪では澤穂希さんらが背負った10番をつけた。同年6~7月には歴代最長の5試合連続ゴールをマークし、澤さんらの4試合連続の記録を更新した。同年10月の池田監督就任後もチームをけん引し、今年4月の欧州遠征メンバーにも選ばれていた。