今夏のパリ五輪(オリンピック)を目指すU-23(23歳以下)日本代表が、既に五輪出場を決めている同マリに1-3で逆転負けした。

日本は4-3-3陣形でスタート。A代表経験者のGK野沢大志ブランドン(FC東京)に、最終ラインは右からDF半田陸(ガンバ大阪)高井幸大(川崎フロンターレ)西尾隆矢(セレッソ大阪)バングーナガンデ佳史扶(FC東京)が並ぶ。アンカーにMF川崎颯太(京都サンガ)が入り、MF植中朝日(横浜F・マリノス)とMF山本理仁(シントトロイデン)がインサイドハーフを任された。前線は右からMF山田楓喜(東京ヴェルディ)FW藤尾翔太(町田ゼルビア)MF平河悠(町田ゼルビア)が務めた。

先制は日本。前半2分、FKでゴール前に送られたボールがこぼれたところにMF平河が反応し、右足でシュート。右ポストに当たってネットを揺らした。現在、初のJ1挑戦ながら第4節を終えて首位と旋風を巻き起こしている町田。平河は全試合に先発しており、第3節の鹿島アントラーズ戦では今季初ゴールとなる決勝点。好調ぶりは代表の舞台でも続いた。

これで波に乗りたいところだったが、同34分に失点。自陣内でGK野沢から受けたMF川崎が展開しようとしたパスをかっさらわれ、右サイド深くへ持ち込まれる。折り返しをMFサンギャレに左足で合わせられ、ミスから追いつかれた。

後半開始から日本は2人を変更。MF植中に代わってFW染野唯月(東京ヴェルディ)と、MF山田に代わって、A代表経験のあるFW細谷真大(柏レイソル)が投入され、細谷と染野による2トップになった。その後、左サイドの平河によるドリブル突破から、複数回のチャンスを作った。

流れに乗りたかったが、わずか8分で逆転弾を献上。同点弾を許したMFサンギャレのミドルシュートをGK野沢大志が弾いたこぼれ球への反応が遅れ、詰めていたDFトゥンカラに頭で押し込まれた。

19分には、平河に代えてMF小見洋太(アルビレックス新潟)バングーナガンデに代えてDF内野貴史(デュッセルドルフ)を大岩剛監督が起用。攻撃に持ち味のある選手を投入して打開を図った。

さらに31分には藤尾との交代でMF佐藤恵允(ブレーメン)が、川崎に代わってMF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)もピッチに入り、攻勢を強めた。しかしマリの粘り強い守備に手を焼き、細谷ら前線の選手の良さを引き出せないまま、後半45分には3失点目。大岩ジャパン初のアフリカ勢との対戦で、無念の試合終了のホイッスルを聞いた。

日本は4月、パリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジア杯(カタール)に出場し、五輪切符を得られる3位以上を目指す。その前に25日、国際親善試合でU-23ウクライナ代表と対戦する。

▽大岩監督「ふがいないゲームをしてしまった。見せることはできたが、結果がついてこなかった。次のウクライナ戦に向けて準備をしたい」

◆サッカー男子パリ五輪への道 アジア最終予選を兼ねたU-23アジア杯は4~5月にカタールで開催される。出場4チームずつ4組に分かれて1次リーグを行い、各組の1、2位が通過。日本のB組は突破後の準々決勝で、オーストラリアや開催国カタールなどが入ったA組と当たる。3位まで五輪出場権を獲得。4位はアフリカのギニアとの大陸間プレーオフに回る。