2014年W杯ブラジル大会アジア3次予選開始まで2週間を切った中、ザックジャパンの対戦国が急きょ変更される緊急事態に陥った。国際サッカー連盟(FIFA)は19日、W杯アジア3次予選C組で日本と同組のシリアの予選出場資格剥奪を発表した。シリアがスウェーデンから国籍変更した無資格の選手を2次予選で出場させたため。代わって2次予選でシリアに敗れたタジキスタンがC組に入る。日本はアジア杯で苦戦したシリア(FIFAランク104位)ではなく、10月11日にホームで、11月11日にアウェーでシリアより格下のタジキスタン(同142位)と対戦する。
勝負の3次予選開始まで約2週間。このタイミングでザックジャパンにとって、まさかの対戦国の変更が発生した。FIFAはこの日「シリアが2014年W杯ブラジル大会予選を失格となり、3次予選にはタジキスタンが出場することになった」と正式声明を出した。
シリアは6月23日と28日に行われた2次予選タジキスタン戦2試合に、スウェーデンから国籍変更をしたFWジョージ・モウラド(28)を出場させた。
だが、モウラドは05年にスウェーデン代表としてW杯欧州予選2試合に出場しており、FIFAが国籍変更の際に定める「U-20からA代表までの公式戦のいずれかに1度でも出場した選手は他国の国籍を取得しても、他国の代表にはなれない」という規則に抵触していた。シリアはスウェーデン協会の了解を得ていると主張しているが、FIFAは予選出場資格の剥奪という「厳罰」を決定した。
シリアは自らの正当性を主張するためにスポーツ仲裁裁判所に提訴する方針を示しているが、FIFA側は今回の決定は絶対という姿勢を示している。そのため、日本は10月11日に長居スタジアム、11月11日にアウェーでシリアと対戦の予定だったが、急きょタジキスタンとの対戦に変更された。未知の対戦相手の対策にこれから奔走することになる。
ただ、ザックジャパンにとっては朗報になるかもしれない。シリアは日本が苦手とする堅守速攻の中東スタイルを貫くクセ者で、1月のアジア杯1次リーグでは2-1で勝利も大苦戦した。一方でタジキスタンはFIFAランクでもシリアより40位近くも下に位置している。シリアの場合は政情不安のため直前までアウェーの試合開催地が決まらない可能性もあったが、タジキスタンなら余計な心配は必要なくなる。
10年W杯南アフリカ大会出場国の北朝鮮、アジア杯4強のウズベキスタン、くせ者シリアという「死の組」だった日本が、シリアの代わりにタジキスタンが同組となれば、油断できないものの、実力的に完全な格下との対戦が加わる。
日本協会はこれから急いで分析や移動方法なども含めタジキスタン対策を進める。組み合わせ決定時にザッケローニ監督は「対戦相手も日本をアジア王者として研究して向かってくると思うが、1試合1試合に集中して戦っていく」と話していたが、この混乱が日本にとって追い風になるか、今後の情報収集と準備にかかっている。

