川崎フロンターレが今日29日、初タイトルに望みをつなぐため埼玉スタジアムで浦和レッズと対戦する。引き分け以下なら試合のない鹿島アントラーズの優勝が決まる一戦。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)王者との戦いに、MF阿部浩之(28)はDF車屋との左サイドの連係に手応えを口にし、自身の得点を「10」の大台に乗せてチームを勝利に導くことを誓った。

 G大阪時代に3冠を経験している阿部は、落ち着いていた。「こういう緊張感があるゲームをして成長すると思うし、そこで結果を出せば自信にもなる。ACLを優勝した強い浦和とできるのは、緊張より楽しんでいい」と余裕すら感じさせた。現在の得点は自己最多の9。「自分の得点とチームの勝利は常日ごろから狙ってる。今はシュートの感覚も上がってるし」と自信を口にした。

 練習では、左サイドバックの車屋とのコミュニケーションに力を注いだ。代表を経験した車屋は、阿部に攻守で要求を口に出すようになったという。阿部は「成長ですね。(車屋)紳太郎がやりたいことが分かるようになった。お互いがやりやすいようにできればベスト」と連係に手応えをつかんでいる。一方の車屋も「相手のサイド攻撃をうまく止められればいい攻撃につながる。今年1年やった集大成をしっかり出せれば」と意欲を口にした。

 優勝へは最終節の大宮戦まで2連勝が最低条件。阿部は「自分たちのサッカーをしっかりして勝ったら、もう1ステップ上にいけるし、勝ったら、また鹿島にプレッシャーがかけられる」。優勝争いの灯は最後まで消せない。【岩田千代巳】