アルビレックス新潟に今季、流通経大から加入したルーキーFW渡辺新太(22)が、ジェフユナイテッド千葉戦で3戦連発、しかも2ゴールの大暴れでチームを逆転勝ちに導いた。

 渡辺は1点を追う後半22分、中央にドリブルで仕掛けると、MF磯村亮太にパスを出し、折り返しのパスを迷わず右足で打ち込んだ。低い弾道のシュートは、ゴール左隅に突き刺さった。「(MF戸嶋)祥郎からボールが来て(自分が蹴ったボールがDFに)はね返されたのがイソ君のところにこぼれた。シュートしか考えていなかった。前にスペースがあったので、ファーストタッチの左足でいいところに(ボールを)置けたので迷いなく振り抜けた。ファーストタッチで決まりました。あれはシュートレンジ」と笑顔で振り返った。

 後半30分には、DF安田理大の左クロスに反応。自分の前に飛び込んだ元日本代表FW矢野貴章(34)がつぶれた裏に飛び込み、ダイビングヘッドを決めた。「ミチ君(安田)がナイスボールだったんですけど、貴章さんもその前につぶれて、ニアに(DFを)引っ張ってくれたので俺は触るだけ。飛び込んでうまく当たった。貴章さんの引っ張りが全てです」と矢野に感謝した。

 3日のツエーゲン金沢戦(3-2勝利)、6日の大分トリニータ戦(1-2敗戦)に続く3戦連発となる2ゴールは、試合に向けた練習中から“公約”していた。金沢戦で左前距腓(ぜんきょひ)靱帯を損場し、離脱中のFW河田篤秀(25)がチームトップの4ゴールを決めており、2ゴールで並ぶことを誓っていた。有言実行し「うまくいきました…行きすぎです」と笑った。

 その裏には、やはり後半8分にFWターレスに代わってピッチに入った矢野の存在が大きかったようだ。「貴章さんは(ボールを)収めることが出来るし、追えるし、すごい後ろも助かるし、入ったらやることがシンプルで、ハッキリする。貴章さんが入って、追加点、逆転という試合も最近はある。みんなが貴章さんを見ていた結果が出た」。

 後半11分、矢野の左クロスにファーサイドで飛び込んだが合わせることが出来ず、直後にピッチ上で「競ったら前に行け」などと指示を受けた。それも大きかったという。

 後半45分には、ループシュートを放ち、右ポストに当たって入らず、ハットトリックはお預けとなった。渡辺は「取っておきました」と笑った。【村上幸将】