Jリーグ史上初となる、シーズン中の背番号変更を決断したヴィッセル神戸のMF三田啓貴(27)が、新背番号「7」を背負って初の公式戦に出場した。バルセロナから加入するスペイン代表MFイニエスタのために、従来の「8」を譲った。試合は2-4で完敗したが、思わぬ形で注目を集めた三田は、すがすがしく新スタートを切った。

 新背番号「7」をつけた三田は、これまでと同じようにボランチとして守備と攻撃の起点となって、ピッチを駆けた。完敗しただけに表情はさえず、背番号への質問には「最初は違和感はありました。でも、プレーでは変わりないです」と静かな口調だった。改めて譲った際の気持ちを聞かれ、「神戸にイニエスタ選手が来てくれるということで、それは偉大なことだと思い、僕は譲りました」と端的に説明した。

 三田はプロらしくファンへの感謝の気持ちを行動に移す。7月22日のホーム湘南戦では今季の「8 MITA」のオフィシャルユニホームを持参したファンに、写真撮影とサイン色紙をプレゼントする。これは三田が考案した企画で「初めてのNo.7大作戦」と命名。いくら超一流のイニエスタが相手とはいえ、選手としては複雑な気持ちを抱くのが自然のこと。その思いを拭い去り、背番号「7」として再出発した。