大宮アルディージャの石井正忠監督(51)は、相手の一発退場で数的有利になり先制しながらも、首位の松本山雅FCに逆転負けし「来て下さったサポーターに残念な試合を見せてしまった」と謝罪した。その上で「自分たちが1人、多いという考え方を捨てて戦わなきゃいけないと意識させましたが、後半は出来ずに自分たちのミスから失点。非常に残念な試合ですし、松本さんに勝ち点を近づける非常に重要な試合だったので悔しい気持ちでいっぱい」と吐露した。

 前半35分、MFマテウス(23)が松本MF中美慶哉(26)と右サイドで競り合う中、倒された。マテウスが股でボールを挟むと、中美がボールを取ろうと2、3度と右足でボールを蹴り、その流れで、すねが股間付近をかすめ、マテウスは股間を押さえてもん絶。吉田哲朗主審が中美にイエローカードを出すと、石井監督は選手とともに猛抗議し、同主審は、あらためて中美にレッドカードを出し一発退場を宣告した。

 石井監督は、質疑応答でその場面について聞かれると「私は、マテウスが何度も蹴られているという形だったので当然、退場だろうというところで、抗議に行きました。それだけです」と答えた。主審の判定について問題はないか? と聞かれると「(問題はない)と思います」と答えた。

 後半25分には、5戦連続ゴール中のFW大前元紀を諦め、FWマルセロ・トスカーノをピッチに送り出した。そのことについて、松本の反町康治監督(54)が会見で「ありがたかった。大前が代わったことによって、最後、FKのスペシャリストがいなくなった。大前が残っていたら、また逆転されていた」と語ったことについて、交代の意図を聞く質問も飛んだ。

 石井監督は「前線の動きだしの部分が(大前)元紀よりもマルセロの方が動きが出る。プラス、マテウスを前に入れて相手の背後を取ろうという形でいった。サイドから徹底してクロスを意図して入れて、相手を押し込んだ形ならボックス付近でもカードも出るかも知れないが、それは結果論。シンプルにサイドからクロスの形を作ろうと交代しました」と説明した。【村上幸将】