松本山雅FCのFW永井龍(27)が、大宮アルディージャ戦で1点を追う後半11分にPK、同19分には右足でゴールを決め、チームを逆転勝ちに導き、ほえた。

 前半35分、MF中美慶哉(26)が競り合って倒れた大宮MFマテウス(23)が股でボールを挟むと、ボールを取ろうと2、3度と右足でボールを蹴った。その流れで、すねが股間付近をかすめると、マテウスは股間を押さえてもん絶。中美は最初、吉田哲朗主審からイエローカードを提示されたが、大宮側の抗議後、、一連の行為が乱暴行為とされ一発退場となり、数的不利になった。苦しい中、後半10分、右CKからのこぼれ球に反応したMF石原崇兆がペナルティーエリア内で大山に倒されてPKを獲得。そのPKを右足で決めた。「最近、練習でも決めていますし、気持ちで押し込もうと思った。全然、緊張はしなかった。10人だったんで、流れの中で点が入るかなと思ったらPKをもらえたし、でかかった。決まって、いけるかなと思った」と振り返った。

 後半19分には、左から切り込むと切り返しを入れてDFをかわしながら右足でシュート。ボールはDFをかすめてゴールに突き刺さった。「一瞬のチャンスも見逃さないようにしようと…その分、守備もサボらせてもらった。蹴ったボールもコースが良くなく、相手も触ったんですけど…チームが乗っていないと、ああいうのは入らない」と笑みを浮かべた。

 今季、名古屋グランパスから加入した。11日の天皇杯3回戦・浦和戦で先制弾を決め1-2で逆転負けしたものの、浦和をあと一歩まで追い詰めた。ただJ2では、大宮戦まで15試合に出場も1得点と結果を出せなかった。「天皇杯とJリーグとは、また違った雰囲気。でもJ1、中でも浦和からゴールを決めて自信になり、波に乗れるきっかけにはなった。けれど、Jリーグで点を取れなくて…ホッとした」と笑みを浮かべた。

 1試合2ゴールは、名古屋時代の17年2月26日のJ2開幕戦・ファジアーノ岡山戦以来1年5カ月ぶりだった。試合後、ほえた理由を聞かれると、永井は「ここまで喜んだゴールは久しぶり。チームとしても個人としても、自分の中で重みがあった。(チームは)勝つか負けるかで上に行けるか行けないかが結構、違ってくると思った中でのゴール。(個人では)山雅の一員として、認められていないと思った。より、うれしかった」と満面の笑みを浮かべた。

 その上で「これで認められたとは思っていないですけど、優勝するために落とせない試合…今日は合格点かな」と2発に自らOKを出した。【村上幸将】