J1清水エスパルスとジュビロ磐田が6日、鹿児島ふれあいスポーツランドで練習試合を行う。両チームは5日、1部練習のみで調整。16年以来3年ぶりとなるキャンプでの「静岡ダービー」では、若きアタッカーがキーマンとなりそうだ。ユース出身の清水MF滝裕太(19)は2トップの1人として先発が濃厚。磐田FW小川航基(21)は1トップの位置で出場する可能性が高い。飛躍を目指す2人が、伝統の一戦で結果にこだわる姿勢を示した。

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清水MF滝は、人一倍燃えている。ゲーム形式練習では主力組に入り、前線で積極的にボールを呼び込んだ。FW鄭大世(34)と2トップでコンビを組み、連係を入念に確認。全体練習後は居残りでシュートを打ち込み、最後までグラウンドに残って感覚を確かめた。「テセさんとの距離感が大事。練習試合でも磐田に負けたくない」。下部組織出身の生え抜きは、勝負に徹する構えを示した。

キャンプ前に行った静岡産大との練習試合では2得点。本職はサイドハーフなどの中盤だが、今季はFWで起用されている。ヤン・ヨンソン監督(58)も「よくやってくれている。代表でもいい動きをしたと聞いた」。今月1日には宮崎で、U-20(20歳以下)日本代表候補の練習試合に出場。5月に控えるU-20W杯出場を目指し、生き残りを懸けて猛アピールした。

現在、日本代表FW北川航也(22)は別メニュー調整。FWドウグラス(31)もブラジルに一時帰国しており、スタメン定着をアピールする絶好の機会だ。滝は「このチャンスをつかみたい。結果を残すだけです」と力を込めた。プロ2年目の成長株は、ゴールだけを見据えている。【神谷亮磨】

◆滝裕太(たき・ゆうた)1999年(平11)8月29日、三島市生まれ。長伏SSSでサッカーを始め、清水ジュニアユースとユースを経て、18年にトップ昇格。昨季はルヴァン杯4試合に出場。168センチ、61キロ。右利き。