サガン鳥栖が12年からのJ1開幕戦でワーストとなる4失点の大敗を喫した。

ルイス・カレーラス新監督(46)が「常にジョーのポジションで数的優位を意識していた」と、徹底マークしていた名古屋のエースストライカーに先制されると、GK権田修一(29)や主力DF3人が抜け、戦前から懸念されていた守備が簡単に崩壊した。

今季から導入された主将5人制の1人、MF高橋秀人(31)は「この大敗はサポーターに申し訳ない。このままでは去年と同じ結果(残留争い)になる」と危機感いっぱいだった。

推定年俸8億円の元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(34)と同1億5000万円の元日本代表FW金崎夢生(30)のコンビが不発に終わった。昨季もJ1ワースト29得点で決定力不足に泣かされた。

元バルセロナDFでボール支配や攻撃で圧倒する“バルサ流”を知る新指揮官は「昨季はFWが守備に力を割いていたから後手に回っていたから得点が少なかった可能性がある」と課題を分析し、守備重視からトーレスら豪華攻撃陣を生かす攻撃的なチームづくりへ方向転換した。

2月上旬の香港遠征では、新加入のMFイサック・クエンカ(27)のアシストからトーレス弾が生まれるなど連係は上々だったが、この日はクエンカがベンチ外。攻めも堅守カウンターだけと単調になりすぎた。それでもトーレスは「すべてをポジティブに振る舞い、自分への批判も感じながらトレーニングを積み前を向くだけ」と奮い立った。