デカモリシが、3季ぶりのJリーグの舞台で輝いた。藤枝MYFCの元日本代表FW森島康仁(31)が福島ユナイテッドFC戦で決勝点を挙げ、チームを開幕白星に導いた。0-0の後半33分、右サイドからのロングスローを相手DFと競り合うが、頭に当たらずそのまま通過。ボールが相手に当たり跳ね返ってきたところを、右足を鋭く振り抜き、ゴールネットを揺らした。チームメートと抱き合い、喜びをかみしめた。

「ベテランの選手が頑張ってやってくれていたので、僕は点を取らないと、と思っていた」。意欲的な姿勢は、前半から明らかだった。自陣でショートパスをつなぐ相手に対して、前線からプレッシャーをかけ、ボール奪取を狙った。献身的な動きが、ゴールという形で実った。後半42分、客席から大歓声を受けながら交代した。

2016年にJ1磐田に所属して以来、戻ってきたJリーグの初試合で初得点。「昨日(8日)は緊張で、寝ては起きての繰り返しだった。下(のカテゴリー)から来て点が取れたのは、サッカー人生として幸先の良いスタート」と胸を張った。それでも反省を忘れない。「チャンスで結構外していた。もっと点を取れたと思うので、次はもっと頑張りたい」。1得点ぐらいで満足するわけにはいかない。【和田憲明】

◆森島康仁(もりしま・やすひと)1987年(昭62)9月18日、神戸市生まれ。C大阪U-15、滝川二高を経て、06年にC大阪入り。身長168センチの「モリシ」こと森島寛晃氏に対し、「デカモリシ」と呼ばれた。各世代の日本代表に選出され、06年アジアユースで準優勝に貢献。08年途中に大分に移籍。同年に日本代表に選出されたが、国際Aマッチの出場はない。14年以降、川崎F、磐田、九州リーグの宮崎、関東1部リーグの栃木と渡り歩く。188センチ、88キロ。