埼玉県関係のW杯(ワールドカップ)ロシア大会16強を表彰する「彩の国功労賞」贈呈式が2日、さいたま市内の県知事公館で行われ、熊谷市で生まれ育ったMF原口元気(27=ハノーバー)の父一さん(58)が代理出席した。

賞状や県マスコットのぬいぐるみ、記念品のタンブラーを贈られ、まずドイツに住む本人からのメッセージを代読。「大変名誉な賞をいただき、ありがとうございます。埼玉で育ち、皆さんのサポートがあったから今の自分があります。壁にぶつかった時もサポーターの皆さんの言葉に励ましてもらいました。これからも夢、目標に向かってまだまだ突き進んでいきます。子供たちにも夢を与えられるよう頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」と手紙を読み上げた。

続けて、一さんが父親として感謝のスピーチ。次男の元気がW杯の決勝トーナメント(T)1回戦ベルギー戦で挙げた先制点=日本の決勝T初ゴールに触れ「決勝Tでは日本初と報道していただきましたが、実は埼玉県出身者のゴールとしてW杯で初めてになります」と自ら調べたデータを披露した。

さらに、埼玉県サッカー史のルーツが1908年(明41)の埼玉県師範学校(現埼玉大教育学部)にあることを紹介し「そのDNAが、埼玉を制する者は全国を制すと言われた時代に引き継がれ、集結したものがW杯の元気のゴールにつながった」。その結果として功労賞を受けたことに「とても意義深いこと。これからも声援よろしくお願いします」と言葉を続けた。

式には、足を引きずって現れた。2日前にサッカーをして左ふくらはぎを肉離れしたといい「ブチッといった」と苦笑いしながらも「この歳になってもサッカーができる。埼玉県の良いところ」と晴れの舞台で感謝する場面もあった。

このほか、DF槙野智章(浦和レッズ)GK川島永嗣(ストラスブール)MF遠藤航(シントトロイデン)も受賞した。槙野は出席し、川島は父誠さんと母紀子さんが代理で。遠藤には郵送で一式が送られた。