J1ベガルタ仙台が新時代に突入した。クラブOBで6季にわたって指揮を執った渡辺晋氏(46)が、昨季限りで監督を退任。新たにJ2モンテディオ山形から木山隆之監督(47)が就任した。主力のほとんどが残留し、骨格を維持したまま大補強。未来につながる新スタイル構築と7年連続2桁順位脱却を目指す。

連載「新時代照らす七つ星~J1仙台新戦力」と題し、今季加入した7選手を紹介する。

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JFLからはい上がったシンデレラボーイだ。攻撃的な右サイドバックのJ1仙台DF浜崎拓磨(26)は、クロスやプレースキックが持ち味。「J1というこだわりを最初は持てなかったが、大学を卒業してアマチュアでやって、もっと上を目指したいという思いが強くなった」。DF蜂須賀孝治(29)の牙城を崩し、不動の存在になる。

J2水戸でプレーした昨季は、10月までリーグ戦で出番がなかった。初出場初先発した第36節の首位柏戦で、人生初の直接FK弾。さらに1アシストし、勝利に貢献した。そこから6戦連続先発。最終節こそ欠場したが、いい流れでシーズンを終えた。「8月ぐらいからコンディションは良かった。なかなかチャンスが来なかったけど、腐らずに意識高くやっていたので、首位相手にああいう結果を残せたのは自信になった。その自信は今も失ってない」と言葉に力を込める。

水戸に加入するまで、JFLのFC大阪で2年プレー。1年目は練習終わりや休日に母校で高校生を指導し、2年目はサッカースクールで週5働きながら土日の試合に臨んだ。1月の天皇杯決勝で2得点に絡み、優勝に導いた神戸FW藤本憲明もJFLからのステップアップ組で、浜崎のFC大阪デビュー戦の相手だった。「JFLにもいい選手がいっぱいいるし、僕が活躍して下のカテゴリーの選手にも影響を与えたい」。ピッチで結果を残し、シンデレラストーリーを完結させる。【山田愛斗】

◆浜崎拓磨(はまさき・たくま)1993年(平5)2月17日生まれ、大阪府出身。大阪学院大高、大阪学院大、FC大阪(JFL)、水戸を経て完全移籍。J2通算37試合1得点。5歳ぐらいでサッカーを始め、少年時代は自転車でG大阪の試合に通った。好きな言葉は「がむしゃらに泥くさく」。神戸DF西大伍などのプレーを参考にする。175センチ、70キロ。利き足は右。家族は両親、兄2人。