2月下旬から中断中のJリーグも「無観客試合」でリーグ戦を再開する可能性が強まった。23日、新型コロナウイルス対策連絡会議後、ウェブ上で臨時の実行委員会を開催。再開日の具体的な協議はなかったが、村井満チェアマン(60)は無観客での再開も想定するよう全クラブに初めて伝えた。これまでは座席の前後左右を空けるなど「収容数50%以下」での開催を最優先に進めてきたが、「無観客試合というシナリオもそろそろ選択肢の中に入ってくる」と優先度を上げた。

現状は6月、7月、8月の3パターンで再開日程を用意しているが、新型コロナ会議では専門家チームから緊急事態宣言下での再開は難しく、再開時には無観客が妥当と提言された。村井チェアマンは「無観客でも移動リスクも考慮する必要があるので、すぐできる簡単なものではない」と話し、無観客試合での選手の移動や食事、宿泊先、試合中のベンチ内など、具体的なシミュレーションを入念に重ねていく方針だ。

再開前の選手の準備期間については未決定。この日はプレミアリーグの3週間を例に「6月13日が再開の最短。仮に3週間をとると、5月23日あたりに再開するかしないかを最低限、伝えないといけないかもしれない」と6月再開可否の判断日のめどを示した。

また、選手の精神面をフォローすべく「独立した心の相談の窓口」(村井チェアマン)を日本協会と連携して設置する意向を表明した。「(コロナ会議で)あらためて新型コロナの恐ろしさを再認識した。我々はスポーツ界が国民の精神のよりどころとなる自負もある一方、しっかりとした備えをしないといけない」と引き締めた。【浜本卓也】