鹿島アントラーズは12年シーズン以来となる、チームワーストタイの開幕3連敗を喫した。

中断前のACLプレーオフ、ルヴァン杯と合わせると公式戦5連敗。ザーゴ監督を迎えて新たなスタイルを構築しているが、生みの苦しみに直面している。

前節の川崎F戦同様、立ち上がりの失点でペースが崩れた。前半7分の先制点の場面は、裏に抜け出した相手FWをオフサイドだと思いこんだ判断ミス。後半ロスタイムの追加点も、自陣でのボールロストが起点となってしまった。ザーゴ監督は「不注意による失点で追いかける展開となり、自分たちで負担を増やしてしまった」と、ミスからの失点を厳しく追及した。

内容が絶望的なわけではない。シュート数は18本と相手の倍以上だった。MFファン・アラーノが「やっていることは間違っていない」と話すように、選手らは日々の取材で一定の手応えを口にしている。後半30分にカウンターからGKと1対1のチャンスを作ったDF永戸は「ニアじゃなくてファーに打つ判断ができれば、こぼれ球を味方が拾えたかもしれない。確実に仕留めるところが足りない」と、フィニッシュの精度を課題に挙げた。

思えば今季5試合でオウンゴールによる1点しか奪えていない。狙った形からの1発が生まれれば、流れは変わるはずだ。指揮官は「先制点を決められたら状況は変わると思う。迷いなく今やっていることを続けたい」とブレない姿勢を示した。【杉山理紗】