FC東京と柏レイソルが、11月7日に東京・国立競技場で行われる決勝に進出した。東京は2-0で川崎フロンターレに勝利。MFレアンドロ(27)が直接FKなど2得点した。柏は1-0で横浜F・マリノスに勝った。前身のナビスコ杯も含め、東京は11年ぶり、柏は7年ぶり、ともに3度目の頂点を目指す。

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冷たい雨の寒さを吹き飛ばす東京の勝利だった。前半14分、レアンドロが左サイド深くから直接FKで先制。後半17分にも、左サイドを抜け出した永井のクロスに合わせて追加点を奪った。「誰のゴールでもよかった。全員で決勝に進んだ」と話したレアンドロの言葉に一体感がにじんだ。

9月2日の準々決勝で名古屋グランパスに勝った時点から「この日に照準を合わせていた」と長谷川監督。直前のリーグ戦で主力の大半を休ませるなど、リーグで首位を独走する川崎Fに勝つために総力を注ぎ込んだ。東京サポーターのいない等々力で力強く拳を握った指揮官は「2点差でもまったく安心感はなかった」。追加点のあとにもMF内田、FWアダイウトンと攻撃的な選手を次々と投入した。「守っても勝てない。脅威を与えるためだった」と、一瞬のスキも見せなかった。

苦杯をなめ続けてきた。直近では7月のリーグ戦で0-4と完敗。中断期間中の練習試合では13失点とたたきのめされた。多摩川をはさんだライバルとされながら、力の差を見せつけられた。見つめなおしたのは「細部へのこだわり」と長谷川監督。球際の激しさ、素早い攻守の切り替え、疲労の中でもう1歩のプレス。ボールを奪われれば全員が自陣に駆け戻り、パスをつながれながらもゴール前で食い止めた。

今夏にDF室屋、MF橋本と代表クラスの主力を移籍で失った。長谷川監督も「埋め切れていない」と認めた戦力差は、全員守備で埋めた。ついに難敵を破り、前身のナビスコ杯09年大会以来となる頂点が目前まで迫った。【岡崎悠利】

◆今季のルヴァン杯 A~D組に分かれた1次リーグを2回戦総当たりから1回戦総当たりに変更し、プレーオフも廃止された。B組はJ2松本がリーグ戦の日程が厳しいため第2節から不参加。1次リーグの各組1位と2位のうち成績上位1チーム、ACLに出場している横浜、神戸、東京の計8チームが準々決勝に進み、決勝まで1試合制のトーナメントで争う。優勝賞金は1億5000万円から7500万円に減額。