今季限りでの退団が前日に発表されたセレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(63=スペイン)が28日、大阪市内での練習後、オンライン取材に応じ、自身の退団に関して初めてコメントした。

あくまでも契約満了を決めたのはクラブで、指揮官は3年目への意欲はあったようだ。「契約に関しては満了することで、それに対してクラブが私に説明する必要はないし、クラブに決断する権利がある。私はそれを受け入れて進むだけ」と、プロに徹した態度を貫いた。

無念の思いはあるが、むしろC大阪には感謝の思いを口にした。「クラブには満足している。クラブ、選手、サポーターとも良好な関係だったので、悲しい気持ちはある。ただクラブの決断をプロとして受け入れる必要がある」。

29日の横浜FC戦(ヤンマー)を含めて残り5試合。現在4位のC大阪は勝ち点3差の3位名古屋グランパスを追い抜き、来季のACL出場権をつかみたい。2位に入ればC大阪の過去最高順位で、今季の天皇杯に出場でき、年末年始でタイトル獲得の可能性も残る。

「我々スペイン人は、クリスマスは重要。それが(天皇杯のために)なくなるのは家族には大きなことだが、2位で挑戦することは素晴らしい。私の2年間を総括するのは早い。クラブはコロナ禍で当初の収入が得ることはできなかった。だが順位が上になるほど賞金が得られる。できるだけ上の順位に入れるように頑張りたい」

来季以降に関しては、日本に残って仕事がしたいと断言した。J2東京ヴェルディで2年、C大阪で2年の計4年を日本で過ごしてきた。5年目以降もJリーグで勝負をしたいという。

「他の国からも私への問い合わせはあるが、私の家族は東京、大阪を気に入っていて日本で仕事を続けていきたい。私のようなスペイン人が、このような素晴らしい国に出会えたのはよかった」

この2年間、タイトルこそ現時点で取れていないが、クラブ史上最も高水準のチームを作り上げてきたという周囲の評価はある。ロティーナ監督は、最長で残り約1カ月というC大阪での監督業にベストを尽くす。【横田和幸】