4度目の全国制覇を狙った東福岡は、矢板中央(栃木)にPK戦の末に敗れ、16年度大会以来の8強入りを逃した。シュート17本を放つも空砲に終わり、0-0でPK戦へ。まさかの3連続失敗で敗退した。この日は午後2時すぎの同じ時間帯に、大阪・花園ではラグビー部が、東海大大阪仰星を相手に激闘を展開。同スコアの末に抽選で勝ち、準決勝へ進み、明暗が分かれた。また、神村学園(鹿児島)創成館(長崎)も敗れ、九州勢は全滅した。

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東福岡はPK戦の末、3回戦で散った。先に矢板中央が蹴り成功。東福岡は1人目が成功も、2番手のMF上田主将からMF青木、MF遠藤と、主力3人が続けて失敗した。敗退が決まった瞬間、遠藤はピッチに崩れ落ちた。泣きじゃくり、ロッカーに引きあげる選手のおえつは止まらない。オンライン取材も涙声。上田主将は「PKを外す人数が多くて、メンタル面の部分でまだまだ足りなかった。こうやって勝てるゲームをこぼしてしまうのは、もったいない。自分の中で悔いが残る」とうなだれた。

この日ほぼ同じ時間帯、大接戦劇を演じていたラグビー部にクラスメートがいる選手も多い。サッカー部も猛攻。相手の4本を大幅に上回るシュート17本を浴びせたが、ゴール前でブロックを敷く堅守にてこずり、無得点に終わった。

森重潤也監督(55)は、攻撃の課題を問われ「シュート技術だったり、決めるメンタルの部分かもしれないしフィジカルかもしれない」。それでもコロナ禍で奮戦した選手をたたえた。

2日の2回戦作陽戦、後半の劇的ロスタイム弾で激闘を制した。森重監督は「緊張感のある中、(経験は)財産になる。将来、いろんな局面で困難はあると思うが、しっかり乗り越えて行ってほしい」とエールを送った。【菊川光一】