4校には磨き上げた「柱」がある。第99回全国高校サッカー選手権は9日に、埼玉スタジアムで準決勝を迎える。第1試合は「守」の山梨学院と「育」の帝京長岡(新潟)。第2試合では「壁」の矢板中央(栃木)と「投」の青森山田が激突。新型コロナウイルスの影響で、首都圏の1都3県へ緊急事態宣言が再発令された中、見えない敵に打ち勝ち、頂点へ向けて目の前の相手を打ち負かす。

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帝京長岡には「育」がある。先発メンバーはチームの下部組織にあたる長岡JYFC出身の1、2年生が大半を占める。同クラブ出身のDF松村晟怜(2年)がU-17日本代表候補、MF広井蘭人(1年)がU-15日本代表候補に名を連ねるなど、地元に密着しながら全国で戦える選手を育て上げている。松村はDFリーダーとして、広井は初戦となった2回戦(対履正社)で逆転ゴール、GK佐藤安悟も1年生とは思えないほどの落ち着きで、大舞台でも実力を示している。

チームのスローガンは「心美しく勝つ」。攻撃は狭いエリアをテンポのいいパス回しやドリブルで崩し、ゴールを狙うスタイル。前回大会4強を超えるため、チームはさらに守備面をアップデートさせた。古沢徹監督(35)は「これまでのサッカーにプラスして、ハードワークが身についている。3年生は(長岡)JY(FC)の出身者が少なくチーム発足当初は大変だったが、よくここまで努力した。闘う気持ちで1、2年生を引っ張ってくれている」と話す。

新潟県勢初の決勝進出へあと1勝。闘志むき出しの3年生と、技の下級生が融合し、豪雪地・長岡に優勝旗を持ち帰るため、準決勝を突破する。【小林忠】

「守」の山梨学院、絶対的守護神の熊倉4試合1失点