4校には磨き上げた「柱」がある。第99回全国高校サッカー選手権は9日に、埼玉スタジアムで準決勝を迎える。第1試合は「守」の山梨学院と「育」の帝京長岡(新潟)。第2試合では「壁」の矢板中央(栃木)と「投」の青森山田が激突。新型コロナウイルスの影響で、首都圏の1都3県へ緊急事態宣言が再発令された中、見えない敵に打ち勝ち、頂点へ向けて目の前の相手を打ち負かす。

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山梨学院には「守」がある。1回戦から準々決勝までの4試合で失点はわずか1。準々決勝の相手は優勝候補の一角だった昌平(埼玉)。J内定者4人を擁するテクニカルなチームを相手に、最後の部分で仕事をさせず、無失点でしのいだ。唯一の失点となった3回戦の藤枝明誠(静岡)では、1-1のままPK戦となった。だが、ゴールマウスには絶対的な守護神がそびえ立つ。主将でもあるGK熊倉匠(3年)は「PKになったら正直負ける気はしない。自信はある。PKになって、あの瞬間、絶対に勝てると思っていた」と言葉どおりにセーブし、勝利へ導いた。

山梨県予選でも、安定した守備力は健在だった。初戦の3回戦から決勝戦までの4試合で失点は1。熊倉を中心としたディフェンスで、相手の攻撃を退ける。就任2年目の長谷川大監督(47)の分析がベースにある。過去には母校・秋田商を指揮し、選手権に6度出場。神奈川大では日本代表FW伊東純也(27=ゲンク)を指導した。「相手に応じて自分たちの良さをコントロールできているのが今年のチームの強み」。決して派手ではないが、堅い守備がある。守から攻へ。決勝まで守り抜く。【栗田尚樹】

「育」の帝京長岡、松村ら下部組織から若き才能成長