早くも今季の天王山がやってくる。J1で首位を争う川崎フロンターレと名古屋グランパスが、ゴールデンウイークに極めて異例の2連戦を戦う。川崎Fは勝ち点32で首位に立ち、名古屋は同29で2位につける。

4月29日に豊田スタジアムで、5月4日に等々力陸上競技場で対戦。いずれもその日に、Jリーグの試合はこの1試合しか行われない。

そもそも、J1が1シーズン制で開催された年に、同一カードの2連戦が行われるのは、昨季、新型コロナの影響で日程が変更になったサガン鳥栖-湘南ベルマーレ戦(10月21日、25日)以来、2度目となるが、1位と2位の対決に限れば、初めてとなる。

先発メンバーや戦い方によって、短期間でも全く違う試合になるのがサッカーの醍醐味(だいごみ)でもある。川崎Fの鬼木監督は「(連戦だが)1試合ずつだと思っている。先のことは全く考えていない。その試合で何が起こるか把握して、結果を踏まえて次のゲームに臨む」と、1戦目の内容を見て2戦目のプランを練りたい考えを明かした。

短い期間での連戦は、指揮官の修正力がカギになる。3月に東京五輪世代のU-24アルゼンチン代表と中2日で国際親善試合2連戦を行ったU-24日本代表は、1戦目を0-1で落としたが、メンバーを9人入れ替えた2戦目は3-0と快勝した。初戦で課題に挙がったデュエル(球際の攻防)で相手を上回り、初戦に出場しなかったメンバーがそれぞれの持ち味を発揮して、優位に試合を進めた。

この時、DF板倉滉(フローニンゲン)は「球際の1対1は前の試合から修正できた」。指揮を執った横内監督は「1戦目で足元のボールにきつくプレッシャーが来たので、そういうときは背後を狙うことと、デュエルで勝って攻撃につなげることを伝えた。選手それぞれが課題と向き合って、クリアしてくれた」と、連戦ならではの収穫を口にしていた。

このあたりも、見どころの1つといえそうだ。

鬼木監督率いる今季ここまでリーグ最多30得点の川崎Fと、フィッカデンティ監督が指揮を執る同最少3失点の名古屋。Jリーグが誇る矛と盾の戦いは、どちらに軍配が上がるのだろうか-。【杉山理紗】

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