「BOSS(ボス)」がタクトを振るい、無敗をキープした。

モンテディオ山形は勝ち点で並ぶジェフ千葉と1-1のドローで8位浮上。0-1の後半34分、J3ロアッソ熊本から今季加入したMF中原輝(ひかる、24)が、J2初ゴールとなるビューティフルショットを沈め追いついた。ピーター・クラモフスキー監督(42)が、初采配を飾った5月16日の愛媛戦から4戦負けなし(3勝1分け)、6得点1失点と攻守で充実している。

中原が光り、輝いた。DF半田のパスを受け、右サイドから得意のカットイン。一瞬、ゴールに遠ざかりながら自慢の左足を振り、ボールは美しい軌道を描きながらネットに吸い込まれた。「一番得意なところでボールをもらい、力が抜けて、感触も良く、蹴った瞬間に入ったと思った」。左サイドハーフで先発したが、後半30分に右サイドに配置変更となり、その4分後に同点弾。指揮官の采配がズバリ的中した。

ステップアップの場に山形を選んだ。この試合前までに15試合に出場も、無得点で「早くほしいと焦りもあった」。待ち望んだ移籍後初ゴールに「これから山形でプレーしていくのに大きな1点」と笑った。

オーストラリア出身の新指揮官は選手、スタッフからリスペクトを込めて、「BOSS」と統一した呼び名で親しまれる。クラモフスキー監督は「別の日なら数点取れていたかもしれない。それに値するプレーができ、いいゲームだった」。一丸で勢いに乗る山形が、上位陣を猛チャージする。