柏レイソルは、3日のJ1第21節横浜F・マリノス戦で数的有利を生かせず、1-2で敗れた。横浜は前半35分、MFマルコス・ジュニオールが柏MF神谷優太の左足首にアフタータックルし、VAR判定で1発退場に。そこから、柏は長い時間、優位に立てるはずだった。しかし、横浜は後半頭からシステムを4-3-2と攻撃の手を緩めなかった。

スプリント回数を見ても、横浜は東京オリンピック(五輪)代表のFW前田大然の46回を筆頭にMF岩田智輝、DF小池龍太と20回以上が3人。対する柏はDF三丸と大南の19回が最多だった。スプリントの総数でも、横浜の201回に対し、柏は171回。いかに、横浜が攻守でハードワークしていたかを物語っている。実際、横浜の決勝点となった後半35分の前田の得点は、前田が柏GKキム・スンギュにプレスを掛けて奪ったものだった。シュート数こそ、柏が13本で横浜は7本だったが、柏の決定機と言えるものはもっと少ないように感じた。

前節の湘南ベルマーレ戦ではロスタイムに3得点し劇的な逆転勝ちをおさめていた。今節もJリーグ2位の相手に、優位な状況に置かれていたにもかかわらず、ハードワークを駆使した相手に屈してしまった。

ただ、この試合の明るい材料は、プロ2年目のFW細谷真大(まお=19)がJ1で初ゴールを決めたこと。柏の下部組織から昨年加入し、今季は5試合の先発を含め14試合に出場している。記念すべき初ゴールにも細谷は「取るのが遅かった。出場機会を与えてもらって、これまで決められたシーンもあった。勝ち点を積み上げられなかったのは自分の責任」と笑顔はなかった。昨年に比べ自信を持ってボールに関わり、スピードを生かしたプレーが増えているのは明らかだ。チームは21試合を終えて勝ち点17の16位。苦しい前半戦になったが、若手の成長を含め、後半戦の巻き返しに期待したい。【岩田千代巳】