子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。最後の選手はDF長友佑都(35)。

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今夏に東京に復帰したDF長友は、規則正しい毎日を送っている。練習が午前10時開始の場合は、9時にはクラブハウスに入る。終了後は午後3時ごろ帰宅し、そこから個人で約1時間のトレーニングを行う。連戦期間などは体調を見極めてケアにあてることも。子どもたちを迎えに行く午後5時ごろまでは、サッカーに集中する時間だ。

子どもたちが帰宅後は、しばらくパパの顔に。一緒に食事をし、お風呂に入り、寝つく午後9時ごろまでは家族の時間を大切にしている。そこから寝るまでの約1時間でふたたびストレッチやマッサージといったケアをして、翌日の練習に備える。趣味や娯楽のような時間はほとんどない。

長友といえば、体幹をはじめ熟練されたトレーニングで有名。一口にトレーニングと言っても、「ジム系であったりバランス感覚を重視したものや、インターバル走、ボールを使ったものなど分けている」とそのバリエーションの深さを口にする。長年の経験から自身の体の状態を見極め、その日に取り組むものを決めている。それは海外で過ごした11シーズンから現在も変わっていない。

日によっては、オフでも3部に分けて自主練習を行うこともある。「早い段階で世界を経験して、差を常に感じながら戦ってきた。体が小さく、うまい選手でもない。しっかり体を整えておかないと生き残れない舞台でやってきた」。常に向上心と危機感を保って積み重ねてきたことが体に染みついている。

現在35歳。変わらず走りまくる鉄人も「リカバリーの部分は若いときとは違う。落ちていると言わざるをえないし、認めないといけない」と語る。一方で「その上でベストを作るために取り組んで、伸びしろもある」。戦術理解度や技術は向上を続けている。東京ではスプリントでも若手に劣らない。現在も日本代表の第一線で戦う立場。世界の猛者たちと渡り合ってきた肉体レベルを維持し続けながら、東京では若手選手にも多くを伝えていく。【岡崎悠利】

◆長友佑都(ながとも・ゆうと)1986年(昭61)9月12日、愛媛県西条市出身。ポジションは主にSB。東福岡校から明大を経て08年に東京入り。5月には岡田ジャパンに初招集されコートジボワール戦でデビュー。10年W杯南アフリカ大会にも出場し、大会後にセリエAチェゼーナへの期限付き移籍で海外挑戦。翌11年1月に完全移籍となり、直後にインテルへの期限付き移籍が決まった。18年にトルコリーグのガラタサライに期限付き移籍するまで欧州CL、W杯といった大舞台を経験した。20年8月にフランス1部マルセイユに加入し、21年9月に東京へ復帰した。170センチ、68キロ。妻は女優の平愛梨。