第100回全国高校サッカー選手権は、8日に国立で準決勝2試合が行われる。

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スペイン語で「嵐」を意味する「トルメンタ」の名を持つ“グルグル円陣”で旋風を巻き起こしてきた高川学園(山口)は、代名詞ロングスローを駆使する青森山田(青森)と対戦する。

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国立の舞台で、嵐を巻き起こす。14大会ぶりのベスト4に進出した高川学園。過去に2度、進んだ準決勝では、05年度の84回大会では野洲(滋賀)の前に屈し、07年度の86回大会は藤枝東の前に涙をのんだ。ともに0-1での惜敗。前身の多々良学園時代から、準決勝の壁を越えられていない。江本孝監督は桐光学園との準々決勝後に「歴史をぬりかえたい」と強い決意を示した。国立初勝利、初の決勝を目指し、三度目の正直を果たす。

嵐で王者ものみ込む。相手はプレミアリーグEASTを優勝した青森山田。前回の選手権でも準優勝に輝いた大きな壁だが、高川学園には“奇策”がある。スペイン語で「嵐」を意味する「トルメンタ」。セットプレーの際に、中で待つ数人が円陣を作り、グルグルと回転しながら、動きだす戦法で世界中の関心を集め、勝利も積み上げてきた。

バリエーションは多彩。4人が1列に並ぶ「列車」、ニア、ファーサイドに小さな円陣をつくり、回らない「少しトルメンタ」…。「トルメンタ」の発案者、FW中山桂吾(3年)は「まだまだありますよ」と不敵な笑みを浮かべる。1回戦からここまで4試合連続でセットプレーから得点をマークするなど、高川旋風の勢いは止まらない。

「トルメンタ」に対するのは「飛び道具」。対する青森山田も空中戦にめっぽう強い。武器は十八番とも言えるロングスロー。スローインの精度もずばぬけており、空中戦を制し、幾度も得点を重ねてきた。東京内定のMF松木玖生(3年)は準々決勝・東山(京都)に勝利後「普段通りやれば、必ず自分たちが勝てるチーム。のびのびプレー出来れば、絶対に勝てる相手」と貫禄さえ漂わせた。

国立の空は、どちらにほほ笑むのか-。空中戦を制した先に、決勝のステージが待っている。【栗田尚樹】

◆トルメンタ 高川学園が、セットプレーで駆使する奇策。FK、CKの際に中で待つ数人が円陣をつくり、手をつないだ状態でグルグルと回転しながら動きだす。山口県大会前に、FW中山桂吾(3年)が「マークが付きにくい」と考案。部室前のボードに貼ってあった磁石の形からヒントを得た。スペイン語で「嵐」を意味する言葉が語源。選手が運営する高川学園サッカー部の公式ツイッターで、この名が発表された。

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