J3いわきFCがヴァンラーレ八戸との「東北ダービー」を逆転で制し、2連敗を阻止した。前半2分に先制点を献上するも、後半だけで3得点の猛攻。同3分にMF嵯峨理久(23)が同点ゴールを奪うと、同12分にFW鈴木翔大(29)が左足で決勝点を挙げた。4分後にはFW岩渕弘人(24)がダメ押し弾。後半わずか16分の「3発快勝劇」を演じた。次節は5月4日、今季負けなしで首位を走る福島との「県勢直接対決」を控える。

いわきFCが雨中の逆転劇を演じた。八戸との「東北ダービー」に3-1で勝利。前半2分に警戒していたロングスローから先制を許すも、後半だけで3得点を挙げ、息を吹き返した。村主博正監督(45)は「試合開始早々、失点はしましたけど、次の点を取られずにプレーしてくれた。後半に入って選手の強気な姿勢が得点に結びついたと思います」と選手をねぎらった。

右サイドバックの嵯峨が、「3発快勝劇」の号砲を鳴らした。1点ビハインドで迎えた後半3分。左からのグラウンダーのクロスに反応。左足でダイレクトに合わせたシュートはゴール左へ一直線。反撃ののろしとなる同点弾を突き刺し、右手で渾身(こんしん)のガッツポーズをつくった。「良いボールが入ってきたので、枠内に決めるだけでした。早い段階で追いつくことができたのでチームに勢いが出た。みんながつないでくれたおかげです」と仲間に感謝の言葉を添え、納得の表情で振り返った。

1度勢いに乗ったいわきの攻撃は、止まらなかった。後半12分。鈴木がゴール前中央でパスを受け取り、相手DF陣をかわしながら、最後は左足で逆転ゴールを決めた。4分後の同16分には岩渕が、とどめのダメ押し弾。シュート数は後半だけで相手を11本上回る12本。試合の主導権を完全につかみ、攻め手を緩めることはなかった。鈴木は「立ち上がりにアクシデント的な形で失点してしまったけど、チーム全体で盛り返して、逆転できたことは今後にもつながる」と大きな勝ち点「3」を手にした。

「J2昇格」に向けて、好順位に位置づけている。今季ここまで7試合を戦い、4勝2分け1敗で勝ち点「14」で単独2位。次節は5月4日、首位を走る福島との「県勢直接対決」だ。村主監督は「大事な一戦になる。負けなしできているチームなので、もう1回(福島戦で)パワーを出して勝って喜びたい」。逆転の勢いをそのままに、負けられない首位決戦に臨む。【佐藤究】