J1清水エスパルスが新指揮官のもとで再始動した。14日は静岡市内で練習を行った。

ブラジル人のゼ・リカルド新監督(51)はこの日から選手を直接指導。初日は約1時間のメニューの中で強度の高いプレーを求めた。パス回しでは身ぶり手ぶりを交えながら指示を出し、練習中には選手と積極的にコミュニケーションを図った。練習後の就任会見では「エスパルスがこの街を代表するクラブになっていけるように努力したい」と所信表明した。

これまでJクラブでの指導歴はないものの、ブラジルでは指導者としてキャリアを積んできた。過去には同国1部のフラメンゴやインテルナシオナルで監督を歴任。今月上旬までは2部のバスコ・ダ・ガマを率いていた。数年前から日本サッカーに興味を持っていたといい「長年の夢をかなえることができた」。近年、低迷している清水のクラブ状況も把握しており、「自信を取り戻すことが大事。チームの結束力をベースに成長させたい」と話した。

目指すスタイルや具体的な戦術などは明かさなかったが、攻撃的なチーム作りを得意としている。リカルド監督は「ボールを握りながら、アクションを起こせるサッカーが理想」と掲げ、「全てを変えられないが、戦術の変更はある」と、戦い方のてこ入れも示唆した。

11日に来日し、12日のジュビロ磐田との練習試合(非公開)も視察。「ポジティブな要素はあった」と前向きに捉えている。指導2日目となる15日の練習は完全非公開で行う予定。チーム再建を託された指揮官は「戦う姿勢を前面に出すことが大事」と繰り返し強調した。初陣は18日のホーム福岡戦。「新生・清水」が巻き返しへの第一歩を踏み出す。【神谷亮磨】