やっとやっと、勝った! 浦和レッズが3月19日磐田戦(埼スタ)以来10試合ぶりの白星をつかみ、史上3チーム目のJ1通算450勝を達成した。リーグ中断前まで16試合で15得点とゴール不足に苦しんでいた姿とは一変、前半だけで3得点とたたみかけた。ホーム通算250勝にも到達し、節目の勝利から一気に上昇したい。

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あんなにも遠かったゴールが、うそみたいだった。何度もゴールに迫る浦和の選手たち。サポーターの手拍子は鳴りやまなかった。リカルド・ロドリゲス監督(48)は「今日の試合は完全な試合」と胸を張った。

前半21分、MF岩尾の左CKにDFショルツが頭で合わせて先制。3試合ぶりの得点に歓喜すると、その2分後。再び岩尾の左CKから、最後はMF伊藤が右足で押し込み今季初ゴール。同36分にはMF関根も今季初得点をマークした。

約3週間の中断期間は、攻撃の確認に多くの時間を割いた。ボールを保持する持ち味のスタイルに、相手の裏を積極的に狙う意識をプラス。ゴールに迫る姿を取り戻した。

完勝でつかんだ節目の450勝目。「この記録はレッズの素晴らしさを表している結果だと思う」。伊藤は歴史をかみしめた。ここでプレー出来ることの特別さを、選手全員が心にとどめている。DF岩波は昨年チームを去った槙野、宇賀神の姿から実感した。「昨季離れた選手たちは、まだまだレッズでプレーしたがっていた。ここでプレーできる喜び、幸せを感じさせられた」。

今季開幕前には13人が新加入。在籍8年目の関根は「今までの浦和レッズを伝えていく責任はあると思う」と話していた。J2徳島から加入したMF岩尾は、クラブスタッフらから浦和の歴史について聞いて回ったという。思いは新たな選手にも、しっかり受け継がれている。

約3カ月ぶりの白星を選手もサポーターも分かち合った。ここから一気に、強い浦和を取り戻す。【磯綾乃】