名古屋グランパスは、4回戦で姿を消した。後半24分にFWマテウスの直接FKで一時は同点にしたものの、試合終了間際の失点で力尽きた。

チームは新型コロナに感染した選手や、故障者を抱えるため、この試合はユース(U-18)所属で8日に2種登録されたばかりの背番号42、FW貴田(きだ)遼河(16)が先発でデビューを果たした。

後半途中に退いた高校2年生は、ポストプレーや前線からの守備、さらに前半19分、記録には残らなかったものの右足でシュートを試みた。176センチのストライカーは、全体的に落ち着いた姿が目立った。

「しっかりボールをキープしたり、思っていた以上にできた。でも(ユース選手として)もっと、もっと見習っていきたい」

10日の清水エスパルスとのJ1リーグ戦(豊田ス)で初めてベンチ入りし、出番はなかった。その際は過度の緊張をしていたが、33歳のMF阿部から「この舞台は楽しんだだけ経験になると、言ってもらえた。その言葉を思い出し、今日はいい状態でピッチに入れた」という。

長谷川監督はこの日、貴田だけでなく、MF豊田、DF吉田晃ら出番が少ない選手を先発で送り出した。「出場機会の少ない選手が試合をつくってくれた。できればこういう展開で勝ちたかった」。

この試合を最後に、阿部は湘南ベルマーレへ期限付き移籍する。新たな陣容となる名古屋は、15日に17歳の誕生日を迎える貴田を含め、現在11位に位置するJ1リーグと、ベスト8に進んだルヴァン杯でリベンジを目指す。