ドイツ経由で、4年後に輝く。高校NO・1ストライカーの鹿児島・神村学園FW福田師王(しおう、3年)が20日、鹿児島・いちき串木野市の同校で、ドイツ1部ボルシアMGへの入団内定会見を行った。国内外11クラブの争奪戦になっていたが、日本代表DF吉田麻也(34=シャルケ)から「今すぐ来い」と言葉をかけられ、高卒で直接、欧州挑戦。「早期トップチームデビュー&26年W杯日本代表入り」を誓った。

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W杯戦士の金言で、ドイツ行きを決めた。福田が、高卒からダイレクトで海を渡る。海外志向が強かったが、今夏にボルシアMGの練習に参加した際、ドイツで活躍するDF吉田、DF板倉と食事をともにする機会があった。

福田は、2人の言葉についてこう振り返った。

「(吉田から)『今すぐ来い』と言われ、覚悟を決めた。(板倉から)『早い段階で来たら成長できる。いいクラブ』と言われたので選びました」。さらに同じく高卒から欧州挑戦したシュツットガルトDFチェイス・アンリから「何でもしてやるよ」と後押しされた。先輩たちの言葉に心を動かされて、奮い立った。

当面U23のチームでプレーするが「早くトップチームデビューして、勝利に貢献できるように頑張っていきたい。ワクワクしています。早く挑戦したい」と入団を心待ちにした。

今年は飛び級でU-19日本代表候補にも選出された福田は、複数のJクラブから誘いを受けた。海外でもバイエルン・ミュンヘンなど複数クラブの練習に参加。ボルシアMGと、Jリーグ10クラブから獲得オファーを受けるほどの逸材だ。

ゴール前での1タッチプレー、高い打点のへディングにミドルシュートと得点パターンは豊富。ポストプレーやドリブル、裏に抜ける技術も高い。「レバンドフスキやクリスティアーノ・ロナウドのようにムキムキにしたい」と、フィジカル強化も目標に掲げた。

24年パリ五輪、26年W杯(米国、カナダ、メキシコの3カ国共催)も視野に入る。「4年後、自分が出て日本を勝たせたい。この先の4年間を大切にしたい」。

チームとして6大会連続10度目の出場となる全国高校選手権(28日開幕、国立)では、31日の山梨学院戦が初戦。「全国優勝し得点王になりたい」。快進撃で弾みをつけ、ドイツへ羽ばたく。【菊川光一】

◆福田師王(ふくだ・しおう)2004年(平16)4月8日、鹿児島県鹿屋市生まれ。大姶良小1年からサッカーを始め、神村学園中-神村学園高。1年からレギュラーとなり2年夏の高校総体では8強に進出し、5得点で青森山田MF松木(現東京)とともに得点王。U-19日本代表候補にも選出。利き足は右。178センチ、70キロ。

◆ボルシアMG 正式名称はボルシア・メンヘングラードバッハ。1900年に創設された古豪。60~70年代に隆盛を誇り、バイエルン・ミュンヘンとともにリーグをけん引。リーグ優勝5回、ドイツ杯3回、ドイツ・スーパー杯1回、UEFA杯2回の優勝がある。ボルシア・パーク(収容人数5万4057人)。今季は現在リーグ戦8位(全18チーム)。日本代表DF板倉滉が所属し、11~12年にはFW大津祐樹(磐田)も在籍した。アドルフ・ヒュッター監督。