1本のパスで局面を変えられるのがMF柘植瑛人(3年)の武器だ。本職はボランチ。中盤で積極的にボールを受け、長短のパスを散らしてゲームのリズムを作る。最も得意なプレーは「ロングキック」。正確無比なフィードからチャンスを作るイメージはできている。

6年間の努力を結実させる。中学1年から浜松開誠館に入学。自宅がある焼津市から毎日1時間以上かけて通学した。高校入学後はほぼ毎日朝5時台の始発電車に乗り、朝練などに参加。「遅い日は家に着くのが10時過ぎになることもあった」と、サッカー中心の生活だった。家族や友人ら周囲のサポートにも感謝して全国大会に臨む。柘植は「いろいろな人の支えがなければここまでやってこれなかった。恩返しができるように試合で活躍する姿を見せたい」と強い決意を口にした。【神谷亮磨】

◆柘植瑛人(つげ・えいと)2004年(平16)6月16日、焼津市生まれ。小1から大井川FCでサッカーを始め、中学時代は浜松開誠館中でプレー。家族は両親、姉、兄。177センチ、65キロ。右利き。血液型A。

 

MF肥後潤(3年)は両足のシュート精度で勝負する。利き足は右だが、左足も遜色なく器用に使える。「中学から練習してきたので両方蹴られるのが自分の武器」。MF登録ながら、FWでの出場機会も多い。県選手権では出番がなかったものの、流れを変える切り札の1人だ。肥後は「全国大会は総力戦だと思う。いつチャンスがきてもいいように準備をしておきたい」。

全国大会の雰囲気は熟知している。小学6年時には所属クラブで全日本少年サッカー大会に出場。中学でも日本クラブユース選手権に出場した。「小中高」での全国出場を目指し、アピールを続けていく。「自分は全国大会を経験しているので高校でもそこは達成したい」。現在は課題の守備にも前向きに取り組み、出場の機会をうかがっている。「ピッチに立てれば自分のよさを出して貢献」と力を込めた。

◆肥後潤(ひご・じゅん)2004年(平16)6月5日、三重県生まれ。小1からラピド名張(三重)でサッカーを始め、中学時代はディアブロッサ高田(奈良)でプレー。家族は両親、姉。170センチ、65キロ。右利き。血液型O。