日体大柏(千葉)は飯塚(福岡)との初出場対決を1-0で制してベスト8入りした。柏入りが内定しているFWオウイエ・ウイリアム(3年)が決勝点を決めた。8強が出そろった。準々決勝4試合は4日に行われる。

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取材エリアでも、オウイエの頭は一つ抜けていた。身長190センチのストライカー。エースにしては珍しい背番号15は「(ユニホームの)一番大きなサイズがそれだったので…(笑い)」と泣く泣く選んだもの。「自分は(サイズが)2XLぐらいですね」。ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた男は笑った。大会3試合目で待望の初得点。「ここからノリに乗って、得点王を目指したい。あと3試合。どこかでハットトリックを取って、6点ぐらい取りたい」。サイズも夢も大きかった。

迫力満点だった。0-0の前半20分。相手の最終ラインでのパスミスをカットし。そこから一気にスピードを上げた。ペナルティーエリア手前の中央から、利き足の左でゴール左へ。得点後、下に着用していた28番のユニホームを見せるパフォーマンス。負傷のためメンバー入りできなかったFW加藤瑛士(3年)のものだった。「1、2回戦は着ていなくて。着たら絶対決められると思っていた」。心優しき男でもあった。

大きく成長を続けてきた。中学時代は川崎FのU-15。ユースへの昇格はかなわず日体大柏を選んだ。ボランチ、左サイドバック、トップ下を経て、昨冬からFW。結果を残し続け、J1柏入りする。「Jリーグで活躍して、海外に出てW杯で優勝させられるくらいの選手になりたいです」。ビッグな男は、初出場初優勝という大いなる野望も描いている。【栗田尚樹】