エースストライカーが完全復活を期す。J2ベガルタ仙台は26日、雨の中、仙台市内で29日大分戦(ユアスタ)に向けて調整。昨季、キャリアハイの14ゴールをマークしたFW中山仁斗(31)が、前節23日藤枝戦(2●3)で今季初得点し、復調を印象づけた。ホームでは昨年9月3日水戸戦(1●2)を最後にゴールがないが、約8カ月ぶりの「ユアスタ弾」で2戦連発とし、量産態勢に入る。

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苦悩の日々にサヨナラを告げる。中山がユアスタで無得点の呪縛を解き、仙台に4試合ぶりの勝利をもたらす。同地では個人として約8カ月、ゴールから遠ざかる。だからこそ「ホームで点を取って、サポーターの人たちと喜び合いたいし、チームが勝てば最高だと思う。そのためにいい準備をしたい」。昨季は27試合で14得点を積み上げた実力者も、今季は8試合で1得点。ここから巻き返しを図る。

復活の兆しを見せた。左足負傷で3試合を欠場していたが、前節藤枝戦で復帰。0-1の後半15分から途中出場すると、その3分後にMF相良竜之介(20)の左クロスを右足で合わせ、今季初ゴールとなる同点弾を沈めた。同20分にMF郷家友太(23)の得点で一時逆転も、同41分、ロスタイムと立て続けに失点し2-3。「なかなかああいう負け方はないと思う。逆転して、逆転されてでダメージも大きかった」とショッキングな黒星を喫した。

J2優勝とJ1昇格を掲げる仙台だが、リーグ戦で4分の1を消化し、3勝4分け4敗の14位と元気がない。中山の出来がチーム成績にも直結。「僕自身、責任を感じ、『点を取らないと』というのはすごくあった」と焦り、苦しんだ。待望の今季初ゴールが生まれたが「点は取れましたけど、全体を通しては満足のいくプレーができていない」と厳しい自己評価。今度こそ勝利に導き、藤枝戦の悪夢を払拭したい。

残りは31試合あるものの、J1自動昇格圏の首位町田と勝ち点10差、2位大分とは同9差で、これ以上は上位陣に離されたくない。仙台の浮上に向けて大事な今節。「次はホームでできるし、上位の大分なので、絶対に結果を出さないといけない」。背番号「9」がゴールで突破口を開き、救世主に名乗りを上げる。【山田愛斗】