北海道コンサドーレ札幌が今季最多得点を挙げ、横浜FCに4-1で快勝した。開始直後に失点したが、逆転で3試合ぶりのリーグ戦勝利を手にした。FW浅野雄也(26)が自身初の2戦連発となる2得点。前節の23日アビスパ福岡戦(2△2)はVAR判定の結果、ロングシュートが幻のゴールとなり1得点だったが、正真正銘の2発。3得点に絡む活躍で、鬱憤(うっぷん)を晴らした。

     ◇     ◇     ◇

札幌は、ホームのようにゴール裏スタンドを埋め尽くすサポーターの後押しを受け、敵地で逆転勝利をつかんだ。今季5ゴール目を挙げ、チーム単独最多得点に浮上した浅野は「今日は難しい試合展開だったが、みんなで慌てずに、何とか逆転することができて良かった」と勝利の余韻に浸った。開始38秒で失点する立ち上がりから、左足で立て直してみせた。

1点ビハインドで、リズムに乗れずにいた前半39分。ロングボールに反応し、相手DFからのこぼれ球にペナルティーエリア手前から左足を振り抜いた。ミドルシュートをネットに突き刺し同点。前節福岡戦ではハーフライン付近からのスーパーゴールが取り消される不運があったが、「振り切れるスペースがあったので、狙った結果いい感じで入ったので良かった」。同ロスタイム1分のFW小柏の勝ち越しゴールも自身のシュートから呼び込み、後半15分にはゴールに流し込んで追加点を挙げた。

今週コンタクトレンズデビューするほどの視力で、裸眼だと0・5くらいという。それでもこれまでプレーができていたのは「敏感なので。サメ並みにいつもアンテナ張ってるんで!」と自信を見せるゴールへの嗅覚。獲物を感知するセンサーを持つシャークのごとく、狙いを定めればあとは撃ち抜くだけだ。

今季サンフレッチェ広島から新加入のプロ5年目。すでにチームの攻撃の核となり、第10節でシーズン自己最多得点まであと1点に迫る。「ゴールは意識している。ゴールという形でどんどんチーム貢献していきたい」と、目標の初の2ケタ得点へ、順調にゴールを重ねていく。チームはゴールデンウイーク3連戦での3連勝を目指しており、まずは初戦で今季リーグ戦最多得点での勝ち点3。ペトロビッチ監督(65)は「試合を通して札幌が勝利に値する試合ができた」と満足そうだった。【保坂果那】

○…FW小柏 1日川崎F戦以来、左太もも裏痛で離脱していたが4試合ぶり復帰を果たし、決勝ゴールを挙げた。1-1の前半ロスタイム1分、FW浅野のシュートが相手GKからこぼれたところを押し込んだ。「得点に関わるところが自分に求められている」と、復帰戦でいきなりの先発起用に応えた。