なぜ、そこに、荒木-。サンフレッチェ広島の元日本代表DF荒木隼人(26)が、FWドウグラス・ヴィエイラの劇的な決勝ゴールをお膳立てした。
「セットプレーの流れで残っていたけど、僕もあまり分からない…」
0-0の引き分け寸前で迎えた後半48分だ。
MF野津田が、敵陣左のペナルティーエリア付近にいたDF荒木に浮き球のパスを送ると、荒木は左足でトラップし、すぐさま右足でMFエゼキエウに華麗なスルーパス。
抜けだしたエゼキエウがパスを受け、クロスをゴール前のDヴィエイラへ。右足ダイレクトで決勝点が生まれた。
本来は3バックの中央を守る荒木だが、後半47分に得たセットプレー(FK)に対応するため、相手ゴール前まで上がっていた。
MF満田のFKから始まったその攻撃は、荒木に届いた最初のパスは頭で折り返したが、相手がクリア。そのまま攻撃は続き、2度目に届いたパスに対し、荒木が技ありの決定的な仕事をやってのけた。
186センチの長身を生かしたヘッドが武器の荒木は、無失点に抑えた守備だけでなく、攻撃でも勝利の立役者となり、会心の場面を振り返った。
「ボールが手前に来たのでトラップすると(エゼキエウの姿が)見えたんで、はい、お願いしますと(パスを出した)。僕も驚いたし、みんなも驚いていた。(得点を足技で演出するのは)そんなにないこと、いや、人生初かもしれない。何より、チームが勝てたことが一番うれしい」
荒木にパスを出した野津田は「あれにはスキッベ監督もびっくりしていた。いいポストプレーだったし、隼人も満足したでしょう」と笑顔だった。
ルヴァン杯決勝など昨年、広島はC大阪との公式戦に4戦全勝。ただ、ほとんどの試合が接戦だったが、この日は内容も圧倒したことで、大阪・門真市生まれの荒木は「すごくやられていた昨年と違って、今日は内容もよかった」と地元での活躍に胸を張った。
2試合ぶりの勝利で広島は首位神戸と勝ち点2差をキープし、暫定ながら5位から2位へ浮上した。アウェーでは4勝1分けの無敗の強さを誇っている。



