再びアジアの頂点に立つ-。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦が6日、浦和レッズのホームにアルヒラル(サウジアラビア)を迎えて行われる。4月29日の第1戦(リヤド)で得点したFW興梠慎三(36)は、3度目のアジア王者へ不敵な自信をのぞかせた。決勝で3度目の対戦となるアルヒラルとは17年は勝ち、19年は敗戦。チケット完売で6万人規模の集客が見込まれる埼スタで、ライバルを蹴散らす。

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興梠が不敵な笑みを浮かべた。「ここではあまり話せないけど、ファーストレグ(第1戦)とは違う試合を見せられると思う。期待してほしい」。第1戦は主導権を握られながらも、相手のミスにつけ込んでアウェーゴールをもぎ取った。第2戦に向けて全ての戦術練習を非公開にし、準備を整えた。

17年の優勝も、19年の準優勝も、決勝の相手はアルヒラルだった。いずれも経験したからこそ、第1戦で守勢に回ったのも想定内だと言える。「(得点は)ラッキーな形だったが、それがアウェーの試合」。敵地という難所は、したたかに切り抜けた。今度の会場は、6万人規模のサポーターが押し寄せることが見込まれるホーム。「恐れる気持ちはない」。真っ赤に染まるスタジアム全体の後押しも背に、昨季王者を飲み込む。

ACLでは日本人最多の68試合に出場。積み重ねた27ゴールも最多で、同大会歴代5位という“ACL男”だ。大会日程が国内のシーズンをまたいだことで、札幌への期限付き移籍を終えてタイトル挑戦権を得た。抜群のキープ力と加速力は、36歳になっても衰え知らず。2戦連発の期待に応える自信は十分だ。

無失点で終えれば優勝が決まる。それでも「6万人近く来てくれるサポーターの前で『0-0でいい』という気持ちは捨てないといけない。得点して勝つ」。気持ちがこもった言葉にも、肩に力みはない。酸いも甘いも知る百戦錬磨のベテランが、ゴールで決着をつける。【岡崎悠利】

◆第1戦VTR 負傷離脱していたDF酒井宏樹が復帰。DFショルツとGK西川周作の呼吸が合わなかったところから前半13分にS・ドサリに先制点を許した。後半8分に相手のクリアがポストに跳ね返ったところをFW興梠慎三が詰めて同点。41分にはS・ドサリがレッドカードで退場。10人になっても攻撃を緩めなかった相手からゴールを守り切り、1-1で引き分けた。

◆優勝の行方 第2戦に勝った方が優勝で、引き分けるとアウェーゴール数で勝敗が決まる。0-0の場合は浦和、2点以上を取り合えばアルヒラル、1-1なら延長戦に突入する。延長戦で勝敗が決しない場合はPK戦で決着をつける。