ベルギー1部モレンベークへの完全移籍が決まったFC東京MF安部柊斗(25)が、ラストマッチとなる16日の第21節ホーム鹿島戦にフル出場した。

下部組織出身で、トップチーム昇格を逃しながらも明大に進学しカムバック。26年W杯カナダ・米国・メキシコ大会で日本代表入りを目指す走り屋が、満を持して海外へ羽ばたく。試合は1-3で敗れ、勝利で飾ることはできなかったが、欧州を舞台に成長することを誓った。

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安部がホームで勇姿を見せた。MF松木とのダブルボランチで先発。ピッチを無尽に駆け回り、前半37分にはペナルティーエリア手前から左足でミドルシュートを狙うなど存在感を放った。「すべてを注いで飛び立ちたい」との言葉どおり、気温約33度の味スタで労を惜しまなかった。

感謝を胸に門出する。ユース時代から持ち前の運動量と球際の強さでレギュラーだったが、小さな体格を理由に昇格を逃した。悔しさをかみしめて進んだ明大では「試合が楽に感じた」という高強度の練習を繰り返した。20年に東京にふたたび認められて加入すると、1年目から主力に。今季もフル出場した前節までの8試合すべてで走行距離が11キロを超えた。

心残りはある。クラブ初のJリーグ優勝を達成できずに旅立つ。シーズン途中であることにも「心苦しさはある」と、率直な思いを口にした。一方で、21年に加入したベテランDF長友らに影響を受けた。体格に恵まれなくても世界最高峰で戦った大先輩でもある。「道を作ってくれた。たどって、追い越していけたら」。自らも明大からカムバックして証明したように、体格で勝負は決まらないと世界でも示してみせる。

試合後はセレモニーが行われ、「憧れであり大先輩である長友佑都選手を追い越せるよう、日々、自分を奮い立たせていい報告ができたら」と意気込みを語った。

候補に挙げられていた21年東京五輪は落選。目指すは26年W杯の舞台だ。「年齢的にもラストチャンス」と覚悟を決めての海外挑戦で、代表への道を切り開く。【岡崎悠利】