J2ロアッソ熊本がまた大物食いだ。120分を戦い抜いた後のPK戦で、GK田代琉我が4度ほえた。

神戸2人目のFW武藤のキックをストップすると、3人目のキッカーとして自ら豪快に蹴り込んだ。駆け引きで揺さぶって神戸4人目のDF大崎のミスを誘って有利にした後は、平川主将の成功を見届けて、感情を爆発させた。振る舞いでスタジアムを一体にした守護神は「蹴りにくい状況を作られれば、と思ったので良かった」と興奮収まらぬ様子で話した。

後半15分にMF平川で先制しながらも、同42分に自身のミスで追い付かれた。相手のクロスに対して飛び出しながらも触れられず、頭で決められた。負けていれば戦犯にもなりかねない状況だったが、PK勝利で一躍ヒーローになった。J2のリーグは20位に沈むが、J1勢3連破で初の4強入り。熊本の歴史を塗り替えた主役は「目標は優勝です」と高らかに宣言した。