日本サッカー協会(JFA)は19日、天皇杯4回戦(2日、名古屋グランパス戦、CSアセット港サッカー場)で浦和レッズサポーターが暴力や破壊行為等に及んでいた件で、浦和の24年度第104回天皇杯参加資格剥奪と始末書の提出という処分を公表した。規律委員会で決定された。

規律委員会は本件について「現時点で判明しているだけでも70名以上にも及ぶ多数のサポーターがスタジアム内で集団として暴徒化し、相手チームのサポーターを威嚇し、相手チームのサポーターや警備運営関係者に対して暴行を加えるという、日本サッカー史上、過去に類を見ない極めて危険かつ醜悪なものであり、その場に居合わせた子供を含む多くの観客、チーム関係者、スタジアムや運営に携わる関係者等を危険にさらし、恐怖に陥れるものであった」と断罪した。

サッカーの普及などを掲げるJFAの理念からも許されない行為だとし、「本件の対象者のサポーターによる暴挙は、このような当協会やJリーグの理念に真っ向から反するものであり、断じて許されない」。

さらに同クラブのサポーターが引き起こした問題行動による懲罰事案が、2000年以降でも11件に上ることも指摘した上で、「本件がトーナメント制を採用する天皇杯において行われたこと及び対象者が既に本年度の天皇杯を敗退していることを考慮し、当委員会は、対象者に対して、譴責(始末書の提出)に加えて、『2024年度天皇杯(天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会)の参加資格の剥奪』というこれまでに対象者に科した懲罰よりも重い懲罰を科すことが相当であると判断した」と結論づけた。

サポーターへの処分は既に公表済み。天皇杯の「試合運営管理規定」が適用されるため8月31日のJFAの臨時理事会で決定し、17人を無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止としていた。浦和の試合だけではなく、日本国内で行われる全ての試合が対象。JFAによるサポーターへの処分としては過去最大規模だった。

クラブへの懲罰は「懲罰規程」に基づく規律委員会の所管。今月の規律委員会で審議決定され、この日付の発表となった。