セレッソ大阪小菊昭雄監督(48)は22日、23日のアウェー神戸戦に向けたオンライン取材に応じた。
今季リーグ戦も残り7試合。6位C大阪は、勝ち点7差で首位神戸を追う。
負ければ逆転での初優勝が絶望的となるだけに、指揮官は「(優勝争いに)生き残れるかの大一番になる」と、自分たちの立ち位置を表現した。
小菊監督にとって、神戸吉田孝行監督(46)は、同じ高校サッカーの名門・滝川二出身で1学年違いの後輩になる。2人の初対決が実現した6月10日は、ホームの小菊監督が2-1で先勝した。2度目となる今回は、母校のある神戸市内での対決になる。
ノエスタの観客席には2人の恩師、滝川二初代監督の黒田和生さん(74)が観戦に訪れる予定。
2人の直接対決を初めて見る恩師に向けて、小菊監督は「黒田先生からサッカーを通して、私たちは学んだ。サッカーの素晴らしさ、選手が精いっぱい戦っている姿を届けられれば、先生も喜んでくださる。熱い試合を展開したい」と、真っ向勝負を誓った。
指揮官として、ともにリスペクトし合う吉田監督に対しては「明日、しっかりと(試合前の)握手で熱い思いを伝えたい」という。
もちろん、優勝を目指す上で私情をピッチで出すことはない。「(残り試合は)総力戦で挑まないと、勝ち点は積み上げることはできない。全員の思いを背負って戦っていきたい」。あくまでもC大阪の全責任者として、勝利を目指す。
滝川二は神戸市西区にある私立で、サッカー部の創部は1984年(昭59)。過去21度出場の全国高校選手権では10年度に優勝するなど、屈指の名門だ。
主なOBは木場昌雄、波戸康広、加地亮、岡崎慎司、金崎夢生らそうそうたる人材を輩出してきた。
部訓の「怯(ひる)まず 驕(おご)らず 溌剌(はつらつ)と」の精神は、今も小菊監督が自身の信条としている。
今回の試合は、DAZN(ダゾーン)の解説を滝川二出身で、元ガンバ大阪DFの木場昌雄さん(49)が務める。サッカー部時代は木場さんが3年生、小菊監督が2年生、吉田監督が1年生という関係だった。解説では両指揮官の当時のエピソードも聞けそうだ。