北海道コンサドーレ札幌が来季“秘密兵器”導入を進めている。

医療機器メーカーのシスメックス社の検査装置で、指先から採った血液中のミオグロビンの数値によって筋肉の疲労度合いがわかる。結果は20~30分で出る。導入には数百万円は掛かるとみられ高額だが、クラブとしては効果に期待を寄せる。三上大勝GM(52)は10月15日のファン・サポーターとのオンラインミーティングで「データに基づいた中で、ケガ人を減らすことにつながるのでは」と明かしていた。まずは来季開幕前キャンプで試験導入する予定だ。

今季はケガ人が続出し、チーム編成に苦労した。そんな悩みの解決につながる可能性がある。これまで試合後などの回復度合いは、選手本人やトレーナーによって判断する部分が大きかった。高強度の運動後の筋肉は、血中のミオグロビンが高値となる。疲労の程度が数字で確認できることで、トレーニングの負荷が調整できる。22日、札幌・宮の沢での練習後、大塚俊介フィジカルコーチ(41)は「まだ回復していない選手を見落とさないために。より効果的なトレーニングができる」と話した。

JリーグではJ2いわきFCが実証として使用している実績はあるが、本格導入は札幌が初となる見込み。16年にJリーグでは当時まだ普及してなかった走行距離やスプリント回数を計測できるGPS端末を導入した大塚フィジカルコーチは、次なる挑戦に「スポーツ界にとっても大きい」と見据える。